- GOURICA MarketingHOME
- >
- サービス
- >
- Go Insight
- >
- コラム
- >
- 【ストアDX最前線】ライオン様に学ぶ新時代リテールの取組みとは?
2021.09.02
【ストアDX最前線】ライオン様に学ぶ新時代リテールの取組みとは?
2021年5月11日に開催した本ウェビナーでは、リアルとデジタルを統合した新たな店頭体験や買物体験を提供しCXの実現を目指す「ストアDX」を推進されている大日本印刷株式会社様との共催で、弊社のショッパー行動解析サービス「Go Insight」のご活用企業様であるライオン株式会社様にコロナ禍での顧客行動の変化やリテールニューノーマルでのお取組みをご紹介いただきました。
<この記事を読んでいただきたい方>
・店頭マーケティングで成果を出したい マーケターの方
・ショッパー行動からヒントを得たい 商品企画・開発担当の方
・店頭のデジタル施策を推進する 小売業のDX担当の方
第1部:「ストアDX」における売場の可視化とシェルフサイネージの活用について
大日本印刷株式会社
情報イノベーション事業部 DXセンター リテールメディアビジネス推進プロジェクト リーダー
平内 庸介
これまでリアルな売場づくりや販促支援を行ってきた中で、「店舗におけるDX化=ストアDX」を推進しており、現在リテールマーケティングを展開するプロジェクトリーターとして従事。店頭におけるデータを活用し、スマホや店頭などの様々なコミュニケーションチャネルを組み合わせ、小売・流通・メーカー企業様のCX改善に取り組んでいる。
まず初めに大日本印刷株式会社の平内様より、DNP様の考えるストアDXとはどういったことなのか、事例や海外トレンドも交えてお話いただきました。
■「DX for CX」―すべてはCXのために
まず、DNPの基本方針として「DX for CX」というものを掲げています。全てはCXのためにということで、CXを改善するためのDXであるというところを念頭に置いています。
来店前から来店して買っていくというところまでのジャーニーでいかに消費者との接点を活用していくのか、コロナ禍も交えてどういうCXを描く必要があるのかを社内でデザインシンキングを行いながら実践しています。
その中で、新たな商品に「出会いたい」、商品について「調べたい」、「行けない・行きたくない、けど購入したい」といった消費者の欲求に応えるために、いかにペインポイントを改善できるのかといったところに取組んでいます。
DNP=リアルな場というイメージも強いかと思いますが、前提としてオンラインの中にオフラインがある中で、CX最大化に向けて何ができるのか考え、リアルな場で情報を取得・活用してアウトプットしていく、そして今まで以上のマーケティングを実現していくというところを目論んでおります。
今お話したリアルな場でのデータ取得によるコミュニケーションを実現していく上で、弊社の中では大きく4つのDXを掲げております。
プロモーションDX、ストアDX、コミュニケーションDX、コンテンツDX、この4つのDXを実現することで、オフラインのマーケティングだけでなく、オンラインのマーケティングも実現するハイブリットマーケティングを行っていくことがDNPのミッションであると感じています。
■DNPの考えるストアDXとは
アウトプロモーション(お店に来るまで)からインストアプロモーション(お店に来てから)のジャーニーの中で、消費者にどういった接点を設け、どういった形でDX化されていくのかを考えると、これまでの紙のチラシがデジタルチラシやweb広告になり、店頭ツールがサイネージになり、紙の応募はがきがデジタルキャンペーンになっていくといったところをデータを活用しながらマーケティングしていき、ID-POS活用やBeaconを用いた行動データを使いながら精度を上げていくといったことを実現するのがストアDXだと捉えています。
また、オンラインの中にオフラインがあるといったところを踏まえて、ストアDXの中にはEX(業務改善)に繋がる部分もあると思っています。
基本的にCXとは消費者のためのものですが、同時に店舗で働く人の業務改善にも役立つことを実現していくことが、我々の考えるストアDXの完結された形になると思っています。
先日ニュースリリースも出させて頂いたのですが、電子棚札等での業務改善にお強みを持っているイシダ様と、サイネージでプロモーションをするといったDNPのコンテンツ運用能力を掛け合わせて協業を開始したことも、CXとDXの両方を実現しようといった取り組みの1つです。
こういった取り組みを加速し、DNPにおけるストアDXを更に加速しようと考えています。
◆事例紹介①:「boxsta(ボクスタ)」次世代型ショールーミング店舗
店内のセンシングを含めてDNPが運営している店舗。
カメラと音声センサーを使って、顧客と販売員の行動をデータ化しマーケティングに反映。
今後はマイクによる顧客の声や反応のデータを分析しながら、どういった接客、商品開発が必要なのかPDCAを回しながらプラットフォームを提供していく取組み。
◆事例紹介②:インストアメディアの効果的運用(メーカー様との検証)
・メーカー様什器に設置された「Beacon」による「来店者、来棚者の把握」の検証を実施。WEB広告から店舗送客された来店者、来棚者を計測。
・メーカー様什器に設置された「センシングツール」による「来店者棚前行動」の検証を実施。高額な什器がワークしているのか、リアルなツールの開発にも寄与。
・Go Insightを活用してデジタルシェルフの効果検証を実施。シェルフサイネージがカテゴリー全体の売上、滞留時間を押し上げたことを確認出来た。
・店内回遊データ、棚前行動データ(Go Insight)、ID-POSを照らし合わせ、データを活用したプロモーションと検証を実施。
■海外トレンドから見るストアDXの今後
DNPがストアDXを掲げる中で、先進事例を把握するため、アメリカのNRF RETAIL’S BIG SHOW 2021(世界最大級の小売カンファレンス・展示イベント)にも参加しています。
2020年と2021年で大きく変化していたのは、2020年はamazon goのような画像解析のソリューションや、それに追随する無人店舗といったソリューションやテックベンダーの出展が多かったのですが、そういったテクノロジーが去年アメリカに導入されたということで、今年は消費者向けのサービスが提供できるようになったことが大きな違いだと感じています。
今年は、小売復興、重点支援というところで、運営、配送の効率化を高められるようなテクノロジーが多くなっていると感じました。
いま日本のDXは、2020年のアメリカの少し手前くらいにいるのかなというところもあるので、今後を見据えてこういった海外事例も捉えながらストアDXを加速していきたいと考えています。
■ストアDXを形成する3つの要素
ストアDXを形成する要素として、売場に必要なものという部分で、我々は「ヒト・モノ・コト」だと考えています。
・ヒト:買う人、売る人
・モノ:売るもの(商品、販促物・店頭ツールなど)
・コト:買わせるためのプロモーション、スタッフ側のインナープロモーション
リアルな場では、この3つの要素で1つのハコが形成されていると考えています。この3つそれぞれがデータをインプットし、活用して、マーケティングに活かしていくといったことが我々のストアDXのあるべき姿だと捉えています。
その1つがセンシングの技術であり、コミュニケーションチャネルの開発といったことですので、こういったところをどんどん増やしながら皆様に様々な価値を提供していきたいと思っています。
第2部 リテールニューノーマルにおける顧客の購買行動分析について
ライオン株式会社
ヘルス&ホームケア営業本部 トレードソリューションセンター 副主席部員
田村 雄大
営業支援部署である同部において、主にデジタル販促やリテールTEC活用、データ分析等を通じた売場・販促提案等を実行・支援するチームリーダーとして従事、流通様の課題解決に向け活動。 また、マーケティング部門と協働しブランド戦略の営業部門への展開や販促施策の開発等にも関与。
第二部ではライオン株式会社の田村様より、リテールニューノーマルにおけるライオン様のお取組みについてお話いただきました。
■顧客の行動変化について
お客様の行動の変化がどのように起きているのか、特に昨年来からのコロナウイルスの流行があり、社会・流通・生活者といった軸で考えても非常な大きな変化があった1~2年だったと思っています。
実際のお客様の変化を意識と行動に分けて考えると、以下のような例が挙げられます。
【意識面での変化】
・清潔・衛生関連への意識向上
・節約志向
・先の見えない不安
【行動面での変化】
・買い物控え・まとめ買い
・EC・買い物代行等
・売場滞在時間:できるだけ短く
個人的な考えも入るのですが、このような変化はコロナがきっかけで起きたというよりも、これまでもゆるやかに起きていた変化が非常に大きく加速したと考えています。
この変化は今だけの話ではなく、これから先も起きていきますので、変化の状況をいかに早くキャッチアップしてお客様に価値を提供していけるかが我々の果たすべき使命だと考えています。
続いて、コロナ禍による買い物行動の変化をまとめたものがこちらになります。
【変化が起きた部分の一例】
・認知経路:従来は紙の媒体、チラシ、テレビCMが中心だったものが、デジタルデバイス、販売店様のオウンドメディアや専用アプリ等が中心になってきています。
・商品検討:以前は実際の売場にテスターや香り見本を設置していましたが、現在は設置が難しくなってきており、その代わりに提供できる価値を考えなければいけなくなってきています。
今回コロナによって変わってしまったものの中で、元に戻るもの、今後もずっと続いていくもの、さらに変化していくものと色々考えられますが、都度変化に柔軟に対応しながら、お客様へどんな体験価値を提供していくか、新たな施策を考えていきたいと思っています。
■リテールニューノーマルの取組みについて
当社が考えるリテールニューノーマルの中でも、来店前、来店中、来店後の流れの中で、今回は来店中の店内での行動に特化した形でお話させていただきたいと思います。
◆事例紹介①:店舗レイアウト毎のカテゴリー購買行動検証
実際にお客様がどのように店内を回遊し買い物をされたのか、最終的にストア全体の売上の拡大に繋げなければいけませんが、その中でも我々としてはカテゴリーの売上をどう位置付けていくのか考え、そこに貢献をしてくれるお客様はどんな方なのか、レイアウトだけではなく最適な売場の本数も合わせて検証をしています。
◆事例紹介②:非接触での買い物体験創出
実際の売場を最大限活性化させるために、新たな体験価値を創出しなければならないということで、非接触でどんな体験をお客様に提供できるかを検証しています。
サイネージやQR読取等を使ってお客様へアプローチをし、来店後も含めて、売り場に立ち寄ったことがお客様にとっていい経験になるような売場作りを考えています。
リアルならではの価値は、これまでは実際に商品に触れることができる点が大きかったと思いますが、それに変わる体験価値を考えていきたいと思っています。
◆事例紹介③:デジタルサイネージによる購買促進スイッチ
デジタルサイネージを使い、購買のスイッチになる因子はどのようなコンテンツ、内容、メッセージがお客様に1番響くのか、また響きやすいお客様はどういう方かといったようなことを検証しています。
コンテンツの変更は容易にできるので、年代別のコンテンツ開発、リピートが獲得できるコンテンツとはどういうものか、音声有無での効果検証も合わせて検証を進めています。
デジタルの媒体を使うのでコストもかかりますしまだまだ課題は多くありますが、これから先お客様へアプローチする材料としては有力だと考えています。
■今後のあるべき売場全体イメージ
これまでお話したように、リテールニューノーマル、お客様の購買行動の変容にまつわる技術も進化してきたと思うのですが、我々の今最も関心の高いテーマは清潔衛生関連売場です。
コロナ過において、お客様の衛生に関する意識は非常に上がりました。ただ、このまま何もなく過ぎていくとどんどん薄れていってしまうので、日本の国民の皆様に根付かせていくのが我々の使命だと考えています。
そう考えた時に、売場で出来ること、お店で出来ることはまだまだあるのではないかということで、ありとあらゆるものを詰め込んで作った売場のイメージがこちらになります。
色々な方々と協力しながら進めていくべきことだとは思うのですが、常にこういった新しいことを考えながら、お客様がどんなニーズを持っているのか、どうすればお店に来てくれるのか、皆様と意見を交換しながら進めていきたいと考えています。
第3部 Go Insightで棚前のショッパー行動を徹底解析!
コニカミノルタ株式会社
Go Insightプロダクトマネージャー
清水 隆史(しみず たかし)
ショッパー行動解析サービス「Go Insight」の企画・開発に携わり、飲料品・食料品・日用品・嗜好品など20社以上のメーカー・ブランドオーナー様や小売・流通企業様の課題解決を支援。マーケティングデータ分析を行いながら企業のデジタルトランスフォームを支援すると共にエバンジェリストとしても活動し、セミナー・研修等の登壇多数。スクラムマスターとしてアジャイルマーケティングのアドバイザリーにも従事。サイエンスの観点からマーケティングを進化させる。専攻は宇宙物理学。
第三部では弊社の清水が、ショッパー行動解析サービス「Go Insight」の棚前のショッパー行動解析について徹底解説いたしました。
■棚前のショッパー行動とは?
メーカーの皆様は自社の商品が選ばれる瞬間をご存知でしょうか?
店頭で実際に購買行動を見たという方は多くはないのではないかと思います。
ECとリアル店舗の購買プロセスを比較してみると、両方とも訪問から購入までのジャーニーに関しては大きな違いはありません。
ただ、ECサイトではwebサイトでは訪問~閲覧~比較~選択~購入といった一連の流れがデータ化されているのに対して、リアル店舗ではレジで購入したPOSデータが取れているのみで「売場に来て、商品を比較検討して購入する」というプロセスのデータがほとんど取れておらず、棚前のショッパー行動は把握できていないというのが現状だと思います。
■どうやって徹底解析?
弊社のショッパー行動解析サービスGo Insightは、カメラで売場に来た人を検知し、姿勢の情報を元に画像解析を行うことでお客様の属性や売場での滞在時間、商品接触情報、売場への立ち寄り人数等のデータを取得することができます。
何よりも特徴となるのは、商品への接触が分かるという点です。
これまではPOSデータから購入された商品しかわかりませんでしたが、接触した商品がわかるようになると、実際に手に取って比較された商品、接触したが買われなかった商品、その属性や滞在時間がわかるようになってきます。
また、このようなデータが取れると様々な検証をすることが可能になります。
【検証の一例】
・コンバージョン分析:
棚前への立寄り、滞在、商品接触、購入した人数をそれぞれ出し、どの部分での離脱者が多いのかを分析することで課題発見に繋げることができます。
・接触商品のバスケット分析:
どの商品とどの商品が一緒に接触されているのかを分析し、実際に店頭で比較検討されている真の競合商品を発見することができます。
■データドリブンで合理化
今後は、データ起点で合理化(データドリブン)をしていくことがポイントだと思っています。
Go Insightのデータを活用して頂くことで、小売・流通様へ根拠ある提案を行うことで効率的に業務ができるようになったり、
データを媒介として、メーカー様、小売・流通様が共にショッパーの方を向く、つまりCXが実現できるのではないかと考えています。
第4部 トークセッション
最後に三者でのトークセッションと、視聴者の皆様から頂いた質問に回答させていただくQ&Aを行いました。
Q. DNP様のお取組みについてどう思ったか?
田村様
非常に参考になる部分も多かったですし、日頃からDNP様とは一緒にお仕事させていただいているのですが、改めて情報交換しながら進めさせていただきたいなと思いました。色々な情報が聞けて大変参考になりました。
Q. ライオン様のお取組みについてどう思ったか?
平内様
このコロナ過でもしっかり消費者に商品を届けるという使命があって、我々にはない部分だったりするのでそこは必要なのかなというのと、我々も商品の価値伝達の場が失われていると感じているので、そこに対していかにお手伝いができるかというところは、我々のやるべきことだということが一つ明確になったかなと思いました。
Q. 「リテールニューノーマルと聞いて思い浮かべるものは?」というオンラインアンケートの結果を受けてどう感じましたか?
平内様
何かにまとまるかなと思っていたのですが、大分ばらけたなと印象があります。僕のせいかなあとちょっと感じています(笑)
清水
それだけ色々なテクノロジーが出てきて、皆様の興味関心も幅広くあるのかなという感じですよね。
Q. 1年間を振り返ってみてコロナ過で変わったこととその対策は?
平内様
まず私的な部分で言いますと、お酒の量が増えた(笑)家で飲む機会が増えて、その対策としてはノンアルを飲むようになりました。
仕事の面の変化としては、求められるものが若干変わってきたのかなと思っています。メーカー様を含めて、売り上げを上げるといったところはもちろんなのですが、消費者への対応が大きく変わってきたことに対して、スピード感を持ってやるというところはまだまだ変えられていない部分もあるのですが、変えていかなければいけない部分なのかなと感じています。
田村様
仕事の面で、オンラインでの流通様とのやり取りの機会が増えて、オフラインのころと違い何度も繰り返しできるものではないので、1回1回の重要性が高まったと感じています。
紙ベースで何度も往復しながら粘り強くやっていたころとは違って、できる限りわかりやすく1枚の絵にして伝えるということを心がけるようになりました。
リモート環境で伝えたいことが伝わるかというと難しいなと感じた1年でした。
清水
商談もリモートが多いんでしょうか?
田村様
多いですね。それに慣れてきたというのもありますが、最初のころはどうしていいかわからないこともありました。
あと個人的には通信環境を強化しました。切れちゃうということだけはなくそうと。
Q. シェルフサイネージの手応えは?
平内様
今までの紙のツールの代わり、コンテンツの差し替えがきく、アテンションが取れる等、メーカー様を含めて色々な反響は頂いております。商品に一番近いところでクロージングができるメディアとしてご活用いただいているということで今後も発展性があると感じています。
田村様
我々も今後の可能性としては非常に感じていますし、どんどん活用を進めていきたいと思っています。
今の時点で明確にすごく効果があったというところまではいきついていないのですが、これから先ブラッシュアップしながら活用を進めていきたいと思っています。
清水
シェルフサイネージを初めて見た時に、野球やサッカーのスタジアムみたいだなというか、目新しいなと思いどうしても視線がいったりして、どういった広告をしているのかなと思ったんですけれども、まだまだ取り付けできているところは少ないのかなと思いますので、これから増えていったときにどういった展開になるのかというところも楽しみです。
Q. イチオシのソリューションは?
平内様
消費者接点を増やすといった意味では、今流通様と共にリテールメディア構築の取組みを行っております。
お店に来る前のインストアプロモーションから消費者との接点を増やし、売場ではメーカー様の価値訴求をしっかり行っていくところに辿り着くまでのリテールメディアを構築することで、消費者接点・消費者理解を高めていくといった取組みを今推しているというか、やらねばならないと使命感を持ってやっています。
清水
リテールメディアとして、シェルフサイネージ以外でもお取組みはされていますか?
平内様
店頭入口でのサイネージ、スマホのアプリ側へのプッシュ等を行っています。プッシュも全員に同じだけのボリュームをやると消費者も嫌がると思うので、データドリブンを踏まえてマーケティングを行っていくことが重要なのかなと思っています。
清水
コロナ過ということもあって、店頭へお越しいただける方というのは大変貴重なのかなと思います。その中でお越しいただいた方にどうやって購買の体験を増やしていくかということが重要になってくるということですよね。
Q. 日用品メーカーとしてコロナ禍で困ったこととその対応は?
田村様
我々が一番苦労したというわけではないのですが、お届けしたいのにできないというところが非常に辛かった1年間でした。
いろんな場面があり、ようやくここ最近落ち着いてきた中で、物がないときには売れないし、ある時には思ったほどニーズがなかったりというところがうまくつかみきれていないところが悩ましいです。高まったニーズをどう根付かせていくか、適正な量をどう考えるかというところも今後考えていかなければならないと思っています。
Q. ライオン様が実現したい店頭での顧客体験は?
田村様
非接触での体験でいうと、オンライン上で歯磨きを選べるツールやスマホで口内チェックができるので、そのきっかけとして実際の店頭を使ってもらいたいと考えています。
少し前まで歯ブラシの見本を店頭に置くことに力を入れていましたが、今後それに変わる体験が何かないだろうかと常々考えています。
手で触った感触や、匂いを嗅いでみるといったところがリアルな売場の魅力の1つだと思いますので、そういったことを今後どう実現していくのか、触らずにできる方法みたいなものを考えていきたいと思っています。
清水
先程、テスターや香りサンプルが置くのが難しくなってきているといったお話もありましたが、店頭での販促施策が大分変わってきているのでしょうか?
田村様
そうですね。現品を置いたり、推奨販売、試食・試飲等がしにくい環境になってきていると思うので、こういったところが何かに変わらなければいけない、変わる為の策を我々としては提案していかなければいけないと思っています。
清水
先程、変化にいち早く気付いてアイデアを出していくことが重要だというお話がありましたが、まさにそういったところがこれからも必要になってくるのかなと感じました。
Q. 最後に一言お願いします!
平内様
DNPの掲げる「ストアDX」、広い概念だったかもしれませんが、店頭のデータを取得しオンラインとオフラインをマージしていく取組みを最大化することによって、田村様が仰っているようなところを変えていけるようなソリューションを提供していけたらと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。
田村様
今日お話させていただいたようなリテールニューノーマルやストアDXの取組みは、自分たちだけでは実現できなかったり、考えが凝り固まることも多いと思いますので、皆様と色々なところで協力しながら一緒に進めさせていただければと思っております。本日はありがとうございました。