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2024.12.20
購買行動モデルの最新完全ガイド:消費者心理と実践的活用法
スマートフォンとSNSの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しています。本記事では、従来のモデルから最新の購買行動モデルまでを網羅的に解説し、効果的なマーケティング戦略への活用法を具体的に紹介します。
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スマートフォンの普及とSNSの台頭により、消費者の購買行動は大きく変化しています。
従来のマスメディア時代に確立された購買行動モデルは、もはや現代の消費者心理を正確に捉えきれなくなってきました。
本記事では、購買行動モデルの基礎から、SNS時代における新たなモデル、そして2024年に注目すべき最新モデルまでを徹底解説します。
さらに、これらのモデルを実際のマーケティング戦略にどう活用していくべきかについても、具体的な事例を交えながら詳しく説明していきます。
購買行動モデルの基礎知識
企業のマーケティング活動において、消費者の購買行動への理解は不可欠です。
特に現代では、デジタル技術の進化により消費者の購買行動が多様化し、その変化に対応したマーケティング戦略の構築が求められています。
そこで重要となるのが、購買行動モデルという考え方です。
購買行動モデルを理解し、活用することで、より効果的なマーケティング活動を展開できます。
ここでは、購買行動モデルの基本的な概念から、その重要性、関連する概念との違いまでを解説していきます。
購買行動モデルとは
購買モデルとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの行動過程をモデル化したものです。
マーケティングでは、消費者が商品やサービスを目にしてから、購入に至るまでの心理や実際の行動を把握することが重要な要素です。
企業の立場からは、購買モデルの想定により、適切な方法とタイミングで商品のPRを行うことができます。
消費者が、どのように商品を認知し、どのような情報収集を行い、そして最終的な購買判断に至るのか、行動プロセスを理解すれば、効果的なマーケティング戦略を打ち出せます。
消費者の購買モデルは時代の流れによって変化してきました。
情報を得る媒体やメディアの形態は常に変化しており、企業は時代の変化に合わせて、自社のマーケティングスタイルを適応させていかなければなりません。
例えば、マスメディアの時代からインターネット時代へ、さらにSNS時代へと、消費者の情報収集方法や購買行動は大きく変化してきました。
それに伴い、購買モデルも進化を続けています。
このように、購買モデルは消費者行動を理解し、効果的なマーケティング戦略を立案するための重要な基礎となるフレームワークです。
なぜ今、購買行動モデルが重要なのか
購買行動モデルが現代のマーケティングにおいて重要性が増している理由は、消費者の情報収集手段が多様化し、購買行動が複雑化しているためです。
かつてのマスメディア時代では、消費者の購買行動にはそれほど大きな差異がありませんでした。
しかし、インターネットやSNSの普及により、消費者は自由に情報を収集し、発信することが可能になりました。
このため、購買行動のパターンが多様化し、従来のモデルでは捉えきれない瞬間的な購買行動も増加しています。
また、購買行動モデルを理解することで、消費者の行動をより正確に把握し、適切なマーケティング戦略を立案できるためです。
購買モデルを活用すると、消費者の購買行動の解像度を高め、自社のターゲットに最適なアプローチ方法やプロモーションの選択が可能です。
また、顧客の行動を購買行動モデルに当てはめて考えると、購買プロセスにおける課題を発見できます。
もう一つの理由として、時代の変化に応じたマーケティング戦略の適応が必要とされているためです。
それぞれの時代に適した購買行動モデルを理解し、活用することで、より効果的なマーケティング活動を展開できます。
企業はさまざまなツールを駆使しながら、ターゲットに適したインフルエンサーなども上手く起用し、自社の商品やサービスをより効果的にアピールしていく必要があります。
購買行動モデルは、そのための重要な指針です。
消費者行動との違い
購買行動とは、消費者が商品やサービスを認知し、購入するまでにとる一連の行動プロセスを指します。
これは、商品の認知から購入判断に至るまでの具体的な行動段階を示すものです。
購買行動モデルは、この行動プロセスをフレームワークとしてモデル化したものです。
一方、消費者行動は、より広い意味を持っています。
社会情勢やトレンドなどを踏まえて、実際に消費者がとる行動全般を指します。
購買に関する行動だけではありません。
商品の使用方法、廃棄までの過程、さらには消費に関する価値観や生活習慣なども含まれます。
したがって、購買行動は消費者行動の一部であり、特に商品やサービスの購入に焦点を当てた概念です。
マーケティングでは、この違いを理解した上で、それぞれの視点から消費者を理解し、適切な戦略を立案することが重要です。
SNS時代の新しい購買行動モデル
SNSの普及により、消費者の購買行動は大きく変化しています。
誰もが簡単に情報を発信できるようになり、消費者同士が互いに情報を共有し合う時代となりました。
そこで注目されているのが、SNS時代に対応した新しい購買行動モデルです。
これらのモデルは、SNSを通じた情報収集や共有、そして「共感」という要素を重視している点が特徴です。
ここでは、代表的な3つのモデル「VISAS」「SIPS」「ULSSAS」について、それぞれの特徴と構造を詳しく解説します。
VISASモデル
VISASは、SNSが情報収集の最大のツールとなっている現代において、SNSによる発信から生まれる購買活動を表現したモデルです。
以下の5つのプロセスで構成されています。
- Viral(口コミ):SNSでの口コミやユーザーの投稿を通じて商品やサービスの情報を得る段階
- Influence(影響):口コミやその発信者から影響を受ける段階
- Sympathy(共感):発信者や商品・サービスの理念に共感する段階
- Action(行動):実際に商品やサービスを購入する段階
- Share(共有):購入後の体験をSNSでレビューとして投稿・共有する段階
このモデルの特徴は、SNSの口コミや投稿による認知から始まり、発信者への共感を経て購買に至るという、現代のSNS時代ならではの消費者心理を反映している点です。
SIPSモデル
SIPSは、SNSで得た情報への共感から消費者行動が始まることに着目したモデルです。
以下の4つのステップで構成されています。
- Sympathy(共感):発信者や企業、商品に共感する段階
- Identify(確認):共感した内容が信頼できる情報かどうかを確認する段階
- Participate(参加):消費者が「いいね」や購入などの行動で参加する段階
- Share&Spread(共有・拡散):参加や購入という体験をSNSで共有・拡散する段階
SIPSの特徴は、必ずしも購入がゴールではありません。
「いいね」やリツイートなどの気軽な参加から始まり、イベントやコミュニティへの参加など、さまざまなかたちでの関与を含んでいます。
売上だけでなく、知名度やブランド力の向上を目指す際に特に有効です。
ULSSASモデル
ULSSASは、2019年に提唱された最新のモデルの一つで、特にSNSでの検索行動に着目している点が特徴です。以下の6つのステップで構成されています。
- UGC(ユーザー投稿コンテンツ):消費者の投稿を見て商品・サービスを知る段階
- Like(いいね!):投稿に「いいね!」をする段階
- Search 1(SNS検索):SNS内で関連情報を検索する段階
- Search 2(Google/Yahoo!検索):検索エンジンで詳細情報を検索する段階
- Action(行動):商品・サービスを購入する段階
- Spread(拡散):体験をSNSで拡散する段階
ULSSASの特徴は、2段階の検索プロセスを設定している点です。
消費者がSNSで情報を得た後、さらに検索エンジンで詳細な情報を収集するという、現代の消費者の実態に即した行動モデルとなっています。
また、購買までの道筋が一直線ではなく、渦巻状の構造になっているのも特徴的です。
注目の最新モデル
デジタル技術の進化に伴い、消費者の購買行動は劇的な変化を見せています。
特にSNSの普及は、情報との出会い方や購買判断のプロセスに大きな影響を与えています。
従来の購買行動モデルでは、消費者は目的を持って能動的に情報を探索し、比較検討を経て購買に至ると考えられてきました。
しかし近年、そうした消費者心理は大きく変化しており、新たな購買行動モデルが提唱されています。
ここでは、最新の2つのモデル「RsEsPs」と「SEAMS」を紹介し、そこから見える消費者心理の変化について解説します。
最新の購買行動モデル①:RsEsPsモデル
RsEsPs(レップス)は、2019年に日本プロモーショナル・マーケティング協会が提唱した、現代の購買行動を簡素化して表現したモデルです。
RsEsPsの特徴は、以下の3つの基本プロセスの各段階で「検索・共有・拡散」が発生するという点です。
- Recognition(認識):商品やサービスの存在を知る段階
- Experience(体験):商品について詳しく知り、実際に試す段階
- Purchase(購買):実際に商品を購入する段階
各段階において、消費者は情報を検索(Search)し、その情報を他者と共有(Share)し、さらに拡散(Spread)するという行動を取ります。
例えば、SNSで商品を知り(認識)、口コミを検索して評価を確認し(検索)、無料体験を試してその感想を投稿(共有)、実際に購入後にその体験を拡散するといった具合です。
最新の購買行動モデル②:SEAMSモデル
SEAMSは、2023年に電通が提唱した最新の購買行動モデルです。特に「情報回遊」という新しい概念に着目し、以下の5つのステップで構成されています。
- Surf(回遊):SNS上で目的なく情報を閲覧する
- Encounter(遭遇):偶発的に商品・サービスと出会う
- Accept(受容):信頼できる発信者の影響で商品を受け入れる
- Motivation(高揚):購入による高揚感を得る
- Share(共有):体験を自発的に共有する
このモデルの特徴は、従来の「検索」を前提としたモデルとは異なり、目的のない「回遊」から始まる衝動買いのプロセスを説明している点です。
最新モデルから見る消費者心理の変化
紹介してきた最新モデルからは、現代の消費者心理に以下のような特徴的な変化が見られます。
- 能動的な情報探索から受動的な情報との出会いへの変化
- 比較検討型の購買から感覚的な即断即決型の購買への移行
- 情報共有の質的変化と、より選択的な発信傾向
これらの変化は、スマートフォンの普及とSNSの発達により、消費者の情報接触や購買の仕方が根本的に変化していることを示しています。
企業は、新しい消費者心理を理解し、適切なマーケティング戦略の構築が求められています。
企業のマーケティング戦略への活用法
近年、消費者の購買行動は多様化し、従来のマスメディア時代からWeb時代、そしてSNS時代へと急速に変化しています。
そのため、企業のマーケティング戦略も、単一のアプローチではなく、商材やターゲットに応じた適切な購買行動モデルの選択と活用が求められています。
効果的なマーケティング活動を実現するためには、正しいモデルの選定、具体的な効果測定の実施、そして過去の事例から学ぶことが重要です。
以下では、企業のマーケティング戦略における購買行動モデルの実践的な活用方法について、3つの観点から詳しく解説します。
業界・商材による適切なモデルの選び方
購買行動モデルの選択は、商材の特性とターゲット層の行動特性を慎重に見極める必要があります。
高額商品や慎重な判断を要する商材(住宅、車など)では、AIDCASモデルが適しており、「確信」のプロセスを重視します。
一方、若年層向けの商品やSNSとの親和性が高い商材では、VISASやSIPSといったSNS時代のモデルが効果的です。
BtoB製品では、組織的な意思決定プロセスを考慮したASICAモデルが有効です。
また、商品の価格帯や購買の複雑さによっても使い分けが必要になります。
比較検討を重視する商材ではAISCEASモデルを採用し、「比較」と「検討」のプロセスを重点的に支援することが望ましいです。
効果測定と改善サイクル
購買行動モデルを活用した効果測定では、各段階でKPIを設定し、消費者の行動を定量的に把握することが重要です。
例えば、認知段階では広告到達数や認知度調査、興味・関心段階ではWebサイトへの流入数やコンテンツの閲覧時間、検討段階では資料請求数や問い合わせ数を測定します。
これらの指標を定期的にモニタリングし、どの段階でつまずきが発生しているかを特定します。
特に重要なのは、各段階の転換率(次のステップへの移行率)を把握し、改善が必要な箇所を明確にする点です。
データに基づいて施策を改善し、PDCAサイクルを回すと、より効果的なマーケティング活動が実現できます。
成功事例と失敗から学ぶポイント
購買行動モデルの活用において、成功のカギは顧客の実際の行動パターンとモデルの整合性です。
例えば、SNS時代のモデルを採用する際は、単にSNSでの情報発信だけでなく、共感を生む具体的なコンテンツ戦略が必要です。
一方、失敗の多くは、選択したモデルと実際の顧客行動のミスマッチから発生します。
ある企業でInstagramでの情報発信を始めた際のことを紹介します。
当初はフォロワー数が伸び悩みました。
原因を調査したところ、単なる商品紹介や特売情報だけでは興味を持ってもらえないことが判明しました。
そこで、商品の目利きポイントを紹介したりするなど、実用的な情報発信に切り替えたのです。
すると、投稿へのエンゲージメント率が向上し、売上が大きく伸びました。
この経験から、SNSでは単なる商品告知ではなく、顧客にとって価値のある情報を提供することの重要性を学びました。
特に注意すべきは、一つのモデルに固執せずに、時代や環境の変化に応じて柔軟に対応することです。
また、各段階での具体的なアクションプランが不明確な場合も失敗につながりやすいため、実行可能な施策を明確に設定し、継続的なモニタリングと改善が重要です。
まとめ
購買行動モデルは、時代とともに進化を続けています。
マスメディア時代のAIDMAから始まり、Web時代のAISAS、そして現代のSNS時代ではVISASやSIPS、さらには最新のSEAMSモデルまで、消費者行動の変化に応じて新たなモデルが生まれています。
企業は、自社の商材やターゲット層に適したモデルを選択し、各段階でのKPIを設定して効果測定を行い、継続的な改善を図ることが重要です。
また、一つのモデルに固執せず、時代や環境の変化に応じて柔軟に対応することが、マーケティング戦略成功のカギとなります。
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