2021.11.29

リアル店舗におけるカスタマージャーニーの分析とは?【プロが解説】

リアル店舗におけるカスタマージャーニーの分析とは?【プロが解説】

■自社で取り扱っている商品の「カスタマージャーニー」がどのように設計されているか知らない
■商品企画や商品開発の過程で「カスタマージャーニー」を分析を実施したことが無い

みなさんが取り扱う商品が食料品であれ飲食品であれ日用品であれ、おそらくカスタマージャーニー(あるいはそれに類するもの)を設計されていると思いますが、実際にカスタマージャーニーを分析している方は少ないと思います。

本記事ではカスタマージャーニーの分析方法/リアル店舗での分析事例について、コニカミノルタでマーケティングデータコンサルタントを担当している清水が解説します。

※本日は、リアル店舗における一般消費財に着目して、カスタマージャーニー分析のお話をしたいと思います。

そもそもカスタマージャーニーとは

カスタマージャーニー(customer journey)とは、商品やサービスを購入または利用する人物の行動などを分析し、時系列で捉える考え方です。

カスタマージャーニー分析を出来ていない問題

カスタマージャーニーに基づいて実際に商品が購入されているか、分析/検証したことはあるでしょうか?

弊社に課題を寄せられるクライアント様にお尋ねすると、

  • 分析したことが無い
  • 分析しようとしたが途中で挫折した
  • そもそも分析する部署がない
  • 分析方法が分からない
  • 分析は自分の担当ではない
  • 分析したところで意味が無い

といったコメントを頂くことが大変多いのです。
端的に言えば「分析できていない」というのが実状でしょう。

もう少し深掘りすると、カスタマージャーニーの作成を計画(Plan)し、実際にパワーポイント等の資料に起こす(Do)ことはしたものの、その現場での検証(Check)や、次の商品・販促企画へのフィードバック(Act)などのPDCAサイクルが回せていない、といった状況なのではないでしょうか。

カスタマージャー分析の重要性

なにごともそうですが、パワーポイントのスライド上で作成したバーチャルな世界が、リアルな世界で本当に起こっているかどうかは、分析してみないと分かるはずがありません。


まして、カスタマージャーニーといった自分や自組織以外の第三者を対象としたものであれば、なおさらです。
カスタマージャーニーの分析と改善は、大きな課題と言えるでしょう。

  • なぜカスタマージャーニーが分析できないか?
  • では、なぜカスタマージャーニーが分析できないのでしょうか?

先ほどのクライアント様からのコメントの中にヒントがあります。

カスタマージャーニーの分析方法が分からない!

これをもう少し分解すると、以下のような課題が見えてきます。

  • 分析すべき指標が分からない
  • 指標が分かっても分析する手段がない(分からない)
  • 数字があっても分析(読み解き方)が分からない


ひとつずつ説明します。

第1の課題:指標

第1の課題が「指標」です。


ほとんどのクライアント様が、分析すべき指標値を定義できていません。指標値のことをKPI(Key Performance Indicator)と表現するクライアント様もいらっしゃいますが、問題自体は同じです。


「カスタマージャーニー」といっている以上、リアル店舗に来店される消費者(ここでは「ショッパー」といいます)のジャーニー、すなわち購買行動に着目した指標を規定すべきですが、それが定義されていないのが実状です。

第2の課題:手段

第2の課題が「手段」です。


仮に第1の課題をクリアして指標値が定義できたとしましょう。例えば「売場への立寄者の人数」とします。では、この「売場への立寄者の人数」をどのように測定すれば良いのでしょうか?


多くの小売店舗では来客数としてレシート発行枚数を使用していますが、本当にその枚数を人数とイコールにしてよいでしょうか?

第3の課題:分析

第3の課題が「分析」です。


ここでの「分析」とは、難しい統計学的なデータ分析のことを言っているのではなく、「このデータとこのデータを比較した時に、どういうことが言えるのか?」といった「データの読み解き方」の意味合いになります。

この「分析」が出来ない、といったクライアント様も大変多いです。

“ECサイト”と”リアル店舗”のコンバージョン

実は、上記のような課題が出てくるのは、無理もありません。
なぜなら、リアル店舗におけるショッパーの購買行動の全容はほとんど把握できていないからです。

分かりやすいように、EC(electronic commerce)と比較をしてみましょう。

ECサイトのコンバージョンまでの経路

ECサイトでは、以下のような一連の流れにおいて、データを取得することが出来ます。

  • Webサイトへの訪問
  • 商品閲覧
  • 「お気に入り」登録や価格・機能の比較
  • 「カート」に入れる(選択)
  • 購入決済


その為、例えば以下の形で数字がとれ、 訪問者→購入者のコンバージョンは0.3%といった数字が明確にでてきます。アカウント情報との結び付けを行えば、属性別の分析も容易でしょう。

  1. Webサイト訪問者が1000人
  2. 商品閲覧者が50人
  3. 「お気に入り」登録者が30人
  4. 「カート」投入者が10人
  5. 購入決済者が3人

リアル店舗におけるコンバージョンまでの経路

これを、リアル店舗におけるショッパー購買行動と比較してみましょう。

カスタマージャーニーとしては全く同じ行動(訪問、閲覧、比較、選択、購入)を取るにも関わらず、その際のデータがとれておらず、その実態がほとんど把握できていないのです。

みなさんも、最後に商品を購入した結果の情報(POSデータ)しか活用できていないのではないでしょうか。


「分析」するどころか、そもそもデータが取得出来ていない、さらにいえばKPIが設定できていない、という実状がお分かりになるかと思います。

ショッパー行動を解析してコンバージョンを数値化する


では、カスタマージャーニーを分析するにはどうすれば良いのでしょうか?


私たちコニカミノルタではこの課題を解決するために、ショッパー行動解析サービス「Go Insight」(ゴー・インサイト)の活用をご提案しています。

ショッパー行動を分析する「Go Insight」とは

Go Insightでは、店舗天井に設置されているカメラを活用し、ショッパーの購買行動を解析します。

上図のような情報から、以下のことを分析することが可能です。

  1. 売場に立ち寄った人が3,272人(立寄者)
  2. 売場に長時間滞在した人が2,202人(滞在者)
  3. 商品に接触(手に取る)した人が1,004人(商品接触者)
  4. 商品を購入した人が665人(商品購入者)

といったコンバージョンの推移を数字で明確に見えることができます。

Go Insightが分析した結果がこちら

棒グラフにより推移を表すと以下のような形になり、例えば立寄者から購入者への推移は20.3%、といったことが明確に分かるようになります。

さらに、それぞれの属性(年代・性別)ごとに切ってみたり、時間帯別の推移を見たりすることも可能です。

例えば、カスタマージャーニーで「30代女性」をターゲットとした商品だった場合に、その属性の人だけに切ってみるとコンバージョン率が高かった、といったことも分かるようになります。

Go Insightの詳細につきましては、こちらも合わせてご覧ください。

まとめ:カスタマージャーニー分析

いかがだったでしょうか。


カスタマージャーニーを適切に分析し、示唆を得て、次に繋げるフィードバックを得ることで、よりリアリティがあり活用しやすいカスタマージャーニーの構築が出来るようになります。


また、それによって新たな商品開発や販促企画などにもフィードバックできることでしょう。
ぜひ「指標」を明確化し、最新のテクノロジーに基づいた「手段」を適切に使って、売場におけるショッパー購買行動を「分析」して、読み解いてみてください。

↑