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2021.09.02
【ウェビナー開催レポート】業界初!店内の動線データ&ID-POS&棚前の接触データで見える未来とは? ~データ連携により実現するOMO、1to1マーケティングの世界~
わたしたちの生活様式はこの1年で大きく変わり、今まで以上にリアル店舗におけるマーケティングの在り方が議論されるようになりました。ICTの進歩によりECの分析は盛んになりましたが、売上の多くを占めるリアル店舗においては購買前のプロセスにおけるデータがほとんど取れていないため、まだ分析が手付かずになっているというのが現状です。 2021年2月25日に開催した本ウェビナーでは、上記に挙げた現状を踏まえつつ、リアル店舗における購買前のショッパー行動を実際のID-POSと店内動線のデータと突合した事例も交えて徹底解説いたしました。
※本レポートは要約版となりますので、事例の詳細等をご覧になりたい方は、ぜひアーカイブ版のご視聴&資料のダウンロードをお願い致します。
<この記事を読んでいただきたい方>
・店頭のデジタル施策を推進する 小売業のDX担当の方
・店頭マーケティングで成果を出したい セールス・マーケターの方
・ショッパー行動からヒントを得たい 商果を出したい セールス・マーケターの方
第1部 業界初!100万人のお買い物動線を分析してわかった買う人 / 買わない人
講師
株式会社サトー エキスパート
大久保 伸助
食品スーパー、家電量販店、ディスカウントストア、ホームセンター、ドラッグストアなど、全国の小売店様の担当を経験し、インストアオペレーションの効率化、物流センターを含むサプライチェーン全体の正確・省力・省資源を推進。現在は、リテール市場向けのソリューション展開を支援し、同時に新規ビジネス開発を担当。リテールDXを現場視点で考え、理想と現実、デジタルとアナログの調整役としてクライアントの形になっていない悩みの輪郭をはっきりさせるお手伝いを行っております。
はじめに、株式会社サトーの大久保様より、100万人の消費者動線とID-POS情報を突合させ、分析を行う中で分かったことをお話しいただきました。
■動線分析の技術 「高精度位置測位システム Quuppa」
分析に使用しているのはQuuppaという高精度位置測位システムです。システムは bluetooth の電波を使っておりますが一般的なbluetooth ビーコンの3点測量方式とは異なり、動くものの方に発信器を取り付け、天井に取り付けた受信機に入ってくる電波の角度と強度によって正確な位置を検出しております。高精度位置測位システムであるがゆえに、行動履歴を1本の線にすることが可能です。
さらに、ヒートマップにつきましても、通過に要した時間やそこに留まった時間など、異なる指標で抽出したヒートマップで提供可能です。
■動線解析が求められる理由
沢山の流通様・小売様と協議させていただく中で、よく頂くお悩み事は以下の通りです。
<流通様のお悩み事>
・店舗のレイアウトが正しかったのかを検証したい
・棚割りを変更して、売り上げは上げられるかを検証したい
・もう1品多く買ってもらうにはどうすればいいかを知りたい
<メーカー様のお悩み事>
・自社ブランド、自社商品を選択してもらうための打ち手を知りたい
・自社ブランドの組み合わせを正しく購入してもらい、効果を最大限に実感してほしい
・自社ブランドのファンになってほしい
流通様・メーカー様ともに、買った人買わなかった人の違い、なぜ買ったのか・なぜ買わなかったのかの違いなど、誰しも重要だと分かっているけど簡単には答えにたどり着けない疑問の解決の一手として、動線解析を活用いただいております。
■重要なのは動線解析+購買データ
今まで出て来た疑問を解消するようなヒントを得る為の要素としては動線だけ、若しくは一般的なヒートマップからだけでは分析、仮説、検証に限りがあります。入店から退店までの時間と距離にその人が何を買ったのかの情報が加わり、そしてその人がどれ位の頻度で来店しているのか、こういった情報を組み合わせた分析を行うことで初めて疑問の答えに近づけるものと考えています。
■事例紹介
(店舗内の場所の価値指標を検討した際の例)
店舗を俯瞰して見た時、お客様はどの売り場にどれだけの時間を割きどれくらいの時間をかけて商品を手にとっているのでしょうか?メーカーの方はご自身の商品カテゴリーについてのデータはご存知かもしれません。
しかし、全体が見えているということが、非常に重要な意味や価値があると考えています。
入店から退店までの全体に要した時間と、自社製品がある棚前の滞在時間の比較や、併売商品との相関、行き動線か帰り動線か等、お客様の目線まで組み合わせることで、店づくりに活かせるのではないかと考えています。
(特定の方にフォーカスした例)
我々の調査の結果、来店されたお客様の店舗の滞在時間と歩行距離には感覚のずれがあるのではないかと考えています。店づくりの根幹に関わるコンセプトとしては滞在時間を伸ばすのか、歩行距離を伸ばすのか、はたまた他の施策を取るのかといった、選択や判断に関わる情報を提示出来ているのではないかと考えています。
特定の方(同一のお客様の行動)にフォーカスを行い分析した結果によると、例えば10回中9回は店舗の理想とするロイヤルカスタマーの動線ではなく、特定の商品だけを見て他の商品は見ていないということが分かりました。偏った動線で買い物をしているという現実から商品に出会えていないことの方が多いという事実が判明致しました。ではいつ、どこで、何をお客様に伝えるべきなのでしょうか。弊社は一人一人のお客様が店舗のどこにいるかが分かった状態で、スマホやサイネージを使い一人一人の方へアプローチが出来る用にサービスを拡大中です。リテールのメディア化、デジタル化を定量的なデータから推進して参りますのでご期待ください!
第2部 棚前のショッパー行動を徹底解析!
講師
コニカミノルタ株式会社
データマーケティングコンサルタント
清水 隆史
ショッパー行動解析サービス「Go Insight」の企画・開発に携わり、飲料品・食料品・日用品・嗜好品など20社以上のメーカー・ブランドオーナー様や小売・流通企業様の課題解決を支援。マーケティングデータ分析を行いながら企業のデジタルトランスフォームを支援すると共にエバンジェリストとしても活動し、セミナー・研修等の登壇多数。スクラムマスターとしてアジャイルマーケティングのアドバイザリーにも従事。サイエンスの観点からマーケティングを進化させる。専攻は宇宙物理学。
■棚前のショッパー行動とは?
自社の商品が買われている様子をメーカーの方がリアルに見る機会は、めったにないのではないでしょうか。
ECの購買行動とリアル店舗の購買行動を比較しても分かる通り、商品を比較検討して購入するという一連の行動を、リアル店舗においてはほとんど把握出来ていないというのが現状となっていると思います。
こういった課題に対してアプローチするために生まれたのが、ショッパー行動解析サービス Go Insightです。下記のプロモーション動画をご覧頂くと分かりやすいと思います。
■ショッパー行動データによって検証できるKPI
棚前の購買行動が分かることで、検証可能なKPIの幅が格段に広がります。
<検証例の一例>
・コンバージョン分析
・滞在時間の分析
・売り場全体の属性の分析
・商品接触/購入のバスケット分析
このような分析を行うことで、自社の商品を手に取ったが買わなかった人が何人ぐらいいるか、その人たちは最終的に何を買ったか/買わなかったのかを、具体出来な数字をもとにして把握することが可能です。
自社商品だけでなく競合他社の商品も一緒に分析を行うことで、自社商品と一緒に手に取られている商品は一体何なのか、勝っているのか負けているのかが分かるところがメリットとなっています。
■事例紹介
(滞在時間の分布からターゲットを明確化した例)
大手飲料メーカー様の調査にて、売場立寄者の滞在時間の要約統計量から予想以上に売場滞在時間が短いことが分かりました。また標準偏差は予想以上にバラつきがあり、全体としては滞在時間が短い方が多いが、中には長い方もいるという事が判明した事例を紹介させて頂きました。
(商品接触有無で競合有意性を定量的に確認した例)
ドラッグストア様のある医薬品売場において、接触・非購入者の属性分析結果を商品開発とマーケティング部へフィードバックさせて頂いた事例を紹介させて頂きました。
お客様からはGo Insightで取得した定量データを媒介とすることで、メーカー様、小売・流通様が共にショッパーの方を向きながら良い関係を築く事が出来た。データドリブンな合理的な組織やプロセスへ変わることが出来た。データを元にした建設的な議論がなされることで組織が活性化した。いう有難いお声も多数頂いております。
第3部 株式会社ロコガイド竹下様をお招きしての3社トークセッション
株式会社ロコガイド
リテールガイド編集
長竹下 浩一郎
1975年長野県上田市出身。中央大学文学部卒業、株式会社商業界入社。経営専門誌『食品商業』『販売革新』編集部を経て2014年11月『食品商業』編集長。20年5月株式会社ロコガイド入社。20年10月株式会社リテール総合研究所の代表に就任。一貫して小売業および周辺を取材。ファイナンス修士(専門職)(中央大学)。
■スーパーマーケットにいま、起こっていること
先ず、竹下様からコロナ禍におけるスーパーマーケットの実態、そして目指す店のあり方についてお話し頂きました。
<コロナ前>
オーバーストアになり、競争が激しくなったため、限られた商圏内でいかにシェアを高めていくかが重要になってきています。また人口減により商圏自体が小さくなっているため、データを活用してニーズを洗い出していくことが求められるようになってきました。それに加えネットの普及によってリアル店舗では「わざわざ来店する店づくり」をし、かつネットでも使える環境づくりが求められています。
<コロナ後>
コロナ後、スーパーマーケット業界は好業績を続出していますが、要因として次のように考えています。
<コロナ後、スーパーマーケットが好調である要因の考察>
・「食」に特化したワンストップショッピング
・巣ごもり需要で、休業の外食の需要を取り込む
・時間があることによる調理の復権により、素材の売上が好調(反対に総菜は大きく落ち込む)
月次の売上推移を見てみると、コロナ前と比べてコロナ後は客数が減って、客単価が増えたことがわかります。これは購買の頻度が減り、まとめ買いが増えたことを意味しています。つまり買い回りをせず1か所でまとめ買いをする傾向が強まり、結果として商圏内で一番店にならないと生き残れなくなりました。「地域一番店」になるにはお客様がストレスなくスムーズに買い物できるようにすることが重要であるため、お客様がどういう行動をしているのかをお客様の動線や棚前行動のデータを分析して、顧客のニーズに答えた店づくりをしていく必要があると感じています。
■動線分析データと棚前行動データの突合事例のご紹介
ウェビナ―の中ではサトー様の店内動線のデータとGo Insightで取得した棚前の行動データを突合した事例もご紹介させて頂きました。あくまで一例とはなりますが、実際のデータから特徴のあった所をご紹介すると、男性と女性で店内の滞在時間が大幅に違うことや、女性の方が接触した商品数も多くじっくりと時間をかけて吟味している様子が見られました。また買い物を開始した位置にも違いがあり、男性は入口からカゴを持ち買い物を始めたのに対して、女性は欲しいものがあった時(買い物スイッチが入った時)に初めて売場付近にあるカゴを持ち買い物を開始したことが分かりました。場所と時間と距離のデータがID-POSに紐づいた形で分かることで、メーカー様の商品づくり、小売様の店づくり双方にとって有益な情報となると感じています。
詳細はぜひアーカイブのご視聴にてご確認を頂けますと幸いです。
■Q&A
最後に視聴者の皆様から頂いた質問に回答させて頂く形で、トークセッションを行いました。
Q1. 業績が好調な量販店に共有する動線データの特徴は?
大久保様
業績よりは立地と品揃え、店作りに影響を受けるところが大きいです。
Q2. お客様の目線に最適な陳列位置とは?
大久保様
従来から言われているゴールデンゾーンがいいのかと言われると違うような印象を受けています。
メーカー様と一緒に陳列を変える実験をしたところ、派手にやったものはどこに置いていても売れるため、アナウンスの仕方が重要になってくるのではないかと感じています。
Q3. 店頭での購買行動はコロナの影響でどう変わったか?
竹下様
コロナの影響でまとめ買いと短時間購買は定着してきており、これらの傾向は今後も続くと考えています。それに対応する商品展開として、より保存が利くものや冷凍物の強化が必要です。また、例えば500MLのペットボトルから2Lのものへと売上が大容量のものにシフトする動きもあります。
大久保様
コロナのビフォーアフターで変わった部分が興味深いと感じています。
時間は数パーセントしか短くなっていないにも関わらず、距離は十数パーセントも短くなっています。買い物の頻度が下がって、客単価が上がっていること等も加味してここから想像できることは、お客様もショートタイムショッピングにしようという気持ちはあるものの、実際には滞在時間は短くなっていない。しかし買うものを事前に決め打ちしてたくさん買おうと思っているため、距離は短くなっているのではないかと推察しています。
清水
Go Insightでもコロナのビフォーアフターのデータを取得していますが、商品の接触の回数が格段に減っていました。商品カテゴリーによりますが、ビフォーコロナから比べるとアフターコロナでは接触回数がほぼ半分になってしまった商品や、滞在時間も半分になってしまった商品もあります。長く滞在せず、商品も触らず、でも商品は買いたいという想いがあるのかと考えられるので、販促の仕方も変わってくるのかなと感じています。
Q4. お客様の購入に結びつくための最適なフェイス数はどの位?
大久保様
歩く距離が短くなっているので、商品に出会うチャンスが減っています。理想はフェイス数1でたくさんのものを見てもらうことです。しかしフェイス数を1にするということは補充が増えるということなので、その分コストが上がります。そこの相関性を上手くトレードオフしたところが答えだと感じています。
竹下様
ある程度広い方がいいと感じています。歩く距離が減っているということは、より目立つものにするべきだと感じています。
清水
メーカー様からの関心が高い「最適な棚割」について紐解いていくと、フェイス数の問題が出てきます。ある商品のフェイス数を2→3にするのか、あるいは別の商品のフェイスを1本置くのかは究極の課題であると思っています。
Q5. 無人レジのメリット・デメリットは?普及率は?
竹下様
一時期セミセルフのレジ(商品スキャンは店員の方が行い、会計のみお客様に行っていただくレジ)が普及しましたが、人手不足がより深刻になったことでフルセルフのレジを導入する企業が増えました。小売様からもお客様からも評判は良いと聞いています。売場などで自分でスキャンするタイプの決済はまだ導入企業が少ないです。お客様からの意見は賛否両論あり、お客様自身がスキャンすることに抵抗がある方もいらっしゃれば、自由にできてよいと感じる方もいらっしゃいます。無人レジに関しては防犯対策含めこれからの取り組みとなってくると思っています。
Q6. 動線解析を始めた経緯は?
大久保様
元々行っていた人のタギングの延長線上に動線分析がありました。人のタギングの先にモノを自動的に読める装置を準備しており、それが揃うと人とモノとがマッチングする状況を作ることができます。
Q7. 高精度位置測位にQuuppaを採用したきっかけとは?
大久保様
元々行っていた人のタギングの延長線上に動線分析がありました。人のタギングの先にモノを自動的に読める装置を準備しており、それが揃うと人とモノとがマッチングする状況を作ることができます。
Q8. サトー様とコニカミノルタのソリューションを組み合わせると、接触したが非購入であった方々の傾向が読み解けるという理解でよいか?
清水
Go Insightでは棚前で商品に接触しても結局買わなかった方がわかりますが、その方が他の売り場でどういった商品を買ったかまでは分からないため、そこにサトー様の動線解析が加わる事で他にどの売り場に行き、どの商品を買ったのかがわかるようになります。購入前のショッパーの行動がわかるというところがサトー様とコニカミノルタのソリューションを組み合わせるメリットだと考えています。
Q9. コロナ後の店頭販売促進の方法はどのようにすべきか?
竹下様
集客をしない方向でより長期販促をするといったように、基本的な販促が変わってきました。お客様が入店したらその人に合った販促をするなど、デジタルを使って個別の販促ができるようになってくるのではないかと考えています。
大久保様
我々は1on1のつながりにこだわりを持っています。動線とその方が買いたいものを今だとスマートフォンを介して心地よい場所で心地よいときに案内やクーポンをお送りするというところまで踏み込んでご提供していきたいと考えています。
Q10. 最後に一言
大久保様
リアルタイムのレコメンドにこだわりを持って開発を続けています。従業員の方の接触回数を減らしたいという要望もお聞きしているので、従業員の方の動線も取って、効率化等の作業分析をするといったところにも着手しています。またモノの自動認識に関するサービスも今年リリース予定なので、そこと組み合わせてより良いものを作っていきたいと思っております。
竹下様
DXは始まったばかりということもあり、様々な取り組みがと模索が続いていますが、一番大切なことはお客様にとって最も買い物しやすい環境を作ることです。お客様の行動を知った上でストレスのない買い物環境をDXを通して実現して頂きたいと思っております。
最後までお読み頂き有難うございました!詳細情報やご相談は下記よりお願い致します。