「あずきバー」過去最高売上更新の仮説を検証

井村屋株式会社 様
井村屋株式会社 様

井村屋株式会社 様

写真左から 
井村屋㈱ 商品営業企画部 営業企画チーム チーム長 青木 吉雄 氏
井村屋㈱ 商品営業企画部 営業企画チーム 副主任 守政 里美 氏
コニカミノルタ マーケティングサービス㈱ 
Go Insight セールスチーム マネージャー 羽田 貴明

✓株式会社ヤクルト本社 様
売場改善により乳酸菌飲料全体の売上16% 伸張に貢献

キリンビバレッジ株式会社 様
「生茶」の環境訴求が店頭での購買の後押しに繋がったことを立証

Go Insight導入前の課題

 あずきバーだけが
 過去最高売上を更新した理由を
 知りたい

2020年度はコロナ禍でマルチアイス全体の売上が前年比12%増と好調な中、BOX あずきバーは前年比16%増と過去最高の売上を更新しました。


その主因はコロナ禍の巣ごもり需要があると考えていましたが、あずきバーが他商品と比べてさらに売上を伸ばしている理由が分かりませんでした。

POS 分析やアンケート調査などで探るも原因が判然とせず、現在の好調を維持・拡大するための施策立案ができない状況にありました。

Go Insight活用の決め手

私たちが社内で扱っているデータは、結果数値であるPOS データやアンケート回答による消費者意識調査によるもので「買わなかった人はなぜ買わなかったのか」といった無意識も含めたショッパーの購買行動を調べたデータはありませんでした。

あずきバーというトップブランドを次の段階へとステップアップさせるために、さらに一歩踏み込んだ調査を進めるべきだと思い導入を決めました。

また、結果として調査の実施はアイスが最も売れる夏の時期になりましたが、当初は相談から調査実施まで約1か月という非常に早いスピード感で動いて頂き、このスピード感も採用の決め手となりました。

調査結果について

① ロイヤルカスタマーの存在を改めてデータで確認出来た

商品接触・購入回数トップ20

商品接触・購入回数の調査結果によると、「BOX あずきバー」は接触・購入回数ともに他商品を大きく上回り、マルチアイス売り場において最も人気の高い商品ということを再認識できました。

商品を手にとった人が購入した割合は82.5%という高さで、あまり離反している人がいなかったことも嬉しい驚きです。

また、「1番最初に該当商品に接触して、かつ購入した」計画購買者の割合も高く、商品接触までの時間が平均値・中央値ともに他商品より下回っていました。

この結果から、BOXあずきバーの棚位置を把握しているリピート顧客が一定数いらっしゃる可能性が考えられることから、あずきバーはロイヤルカスタマーの皆さまに支えられているということを、改めてデータとして目に見える形で知ることができました。

② コロナ禍で定番商品の棚の入れ替えをしなかった事が売上増に繋がった

上記調査結果より、あずきバーの売上が過去最高を更新した理由としても、ロイヤルカスタマーの方に、年間を通して高い頻度で買っていただいたということがあると思います。

社内の聞き取り調査で分かってきたことですが、通常であれば「あずきバーは冬は売れないから」と一部小売業様では棚から外されてしまうころを、コロナ禍で密を避ける為に季節ごとの定番商品の入れ替えを控えたことで、BOX あずきバーとしては導入率が夏並みの高さで、秋冬も残していただいた店舗が例年以上に多かったということです。

売り場に並んでさえいれば、棚の位置を把握しているお客様が計画購買をしてくださることが今回の調査結果から分かったので、この2つがうまくマッチし、チャンスを増やせたことで16%増につながったと考えています。

③ 欠品によるチャンスロスが可視化出来た

フェイス効率(1フェイス当たりの購買数:該当商品購入点数÷フェイス数)においても、 BOX あずきバーは 69.8と数値が高く、スペースあたりの売上が最も良い商品ということも分かりました。

今回の調査では5 フェイスと多かったものの、閉店前になると欠品ギリギリということもデータで出していただきました。

その結果から、1 ~ 2 フェイスの他の小売業様では、欠品によるチャンスロスが発生している可能性も見えてきたので、フェイスを増やしたり、品出しのタイミングを増やしたりしていただく提案をしてほしいと営業に伝えました。

調査結果を受けた今後の取り組み

 小売業に対して
 win-winに繋がる提案を

引き続き、ロイヤルカスタマーに向けたキャンペーン企画は力を入れていきます。

また、来年(2023年)は50周年を迎えます。暑い夏を乗り切っていただきたいという思いから本格的な暑さを迎える7月1日を「井村屋あずきバーの日」として制定しているため、この日に向けた施策も考案中です。

一方で、ロイヤルカスタマーの皆様は60 ~70代の方がメインなので、若い方にもファンになっていただくための種まきも進めていきます。

今回の調査では、「アイス売り場にあずきバーがあるからとりあえずアイス売り場に行こう」というお客様が、プラスで他の商品も買っていただくというマグネット機能も発揮していることも分かりました。

次回の調査でも同様の結果が出てくれば、「あずきバーはアイス売り場に置いておくだけで集客効果がある」というご提案も小売業様へできるようになってくるのではと感じています。

Go Insightへの期待

今後は「なぜ買わなかったのか」という点について、より深い分析をしていきたいと思っています。Go Insightに付随したインタビュー調査やアイトラッキング調査など幅広いメニューがあるようなので、今後もそういったサービスを活用していくことで、より深い消費者行動のインサイトに迫っていきたいと思います。

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