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店頭マーケティングの新潮流:購買行動を「見える化」するGo Insightの可能性


味の素AGF株式会社 様
写真左より
味の素AGF株式会社
コンシューマービジネス部 ショッパーマーケティンググループ
グループ長代理 吉岡 聡史 様
ゴウリカマーケティング株式会社
ゴー・インサイト事業部
マネージャー 小俣
(※役職等表記は取材当時)
「Go Insight(ゴー・インサイト)」を知った経緯や、ご採用を決めた理由をお聞かせください
吉岡:
私が所属しているのは、コンシューマービジネス部ショッパーマーケティンググループという部署です。我々は、生活者を「製品を使用するユーザー」と「製品を購入するショッパー」という二つの側面から捉えています。
私のグループでは、小売業と協力し、ショッパーに最適な購買体験を提供すること、カテゴリーや製品の価値を伝達することに取り組んでいます。例えば、インスタントコーヒーであれば「お湯にすぐ溶ける」という製品特徴があり、これは今風に「タイパ(タイムパフォーマンス)」の言葉で価値を伝えることができます。カテゴリーや製品の価値を伝わりよくショッパーに伝達し、購入いただくことに重点を置いています。
その実現に向け、店頭での最適なアプローチ方法を模索している中、Web上でGo Insightの情報を見つけたのが、最初のきっかけでした。
店頭施策が生活者の購買行動に与える影響や効果をAIカメラで把握できる点が大きな魅力でした。また、実務面では、検証のための店舗交渉や棚替え、現状復帰などの実作業まで支援・代行していただける点が、非常に魅力的でした。
小俣:
ありがとうございます。購買行動の分析は、他社でも難しい部分が多いと感じています。特に、店頭での観察は時間がかかるうえ、作業も多いため、負担が大きくなりがちです。弊社では、そうした作業含め、ご支援・効率化できることを強みとしているので、その点をご評価いただき嬉しく思います。
吉岡:
メーカーの担当者が店頭で来店客の買い物行動を観察するよりも、店頭カメラを活用することで、より自然な行動観察が可能になるのではないかと思います。そうした点もありがたいと感じました。
小俣:
そうだったのですね。ありがとうございます。我々と類似するサービスを提供する他社様との比較検討はされましたか?
吉岡:
はい。ただ、店頭での購買行動をカメラで観察し、さらに店頭交渉サポートや検証まで一貫して提供する企業は、探す中では見当たりませんでした。Go Insightのサービスは非常にユニークだと感じました。
小俣:
確かに、AIカメラを活用する企業は多いですが、データ提供のみで、検証や店頭交渉サポートまで含めたサービスは少ないかもしれません。インタビューやアンケートを店頭で実施する企業はありますが、Go Insightのような包括的なサポートは珍しいと思います。見つけていただけて、本当によかったです。
「Go Insight(ゴー・インサイト)」による調査実施前には、どのような課題をお持ちでしたか?
小俣:
調査実施前の課題について教えていただけますでしょうか。今回は、スーパーマーケットで調査を実施した際の実験前の課題について、改めてお聞かせください。
吉岡:
弊社の課題は、マーケティングの「確からしさ」を向上させることでした。弊社が店頭施策を遂行した後、営業活動から得られるPOS事例や、ID-POSでの解析ナレッジなどは一定蓄積されていました。しかし、その先の購買行動の実状が見えないという問題がありました。
店頭での生活者の購買行動を把握することが課題でした。なぜそのPOS結果になったのか、深掘りの分析が必要でした。
例えば、店頭施策の結果として「なぜ売れたのか」「生活者の買い物体験にどのような良い影響があったのか」などです。
Go Insightの調査を通じて、施策がショッパーの購買行動にどのような変化をもたらすのかを、定性的かつ定量的に捉えたいと考えました。
小俣:
やはり、POSやID-POSのデータだけでは、お客様がどのように商品を選んでいるのかが分からない部分があると思います。そこにアプローチするサービスとして、本当に課題にマッチしていてよかったと感じます。
購買行動の把握に関しては、営業担当者からのフィードバックもあると思いますが、それだけでは不十分な点が多いということでしょうか?
吉岡:
はい。営業担当者もPOSデータなどを活用したレビューを行いますが、それだけでは購買の決定要因を捉えきれないという課題がありました。
弊社コンサルタントの対応について
小俣:
調査期間中および報告会における弊社の対応について、率直なご意見を伺えればと思います。私個人としても大変関心がある点ですので、インタビューへのご回答ではなく、ぜひ率直なお声をお聞かせください。
吉岡:
調査期間から報告会まで、一貫して丁寧に伴走いただいたと感じています。調査設計においては、当社が店頭調査を実施する目的や背景を的確に汲み取ってくださり、私たちが調査を通じて明らかにしたい点をしっかりとご理解いただけました。調査期間中も、実店舗における施策の店頭反映や店舗との交渉などを、きめ細かく丁寧にご対応いただきました。
本来、店頭での検証には、売り場変更の交渉や現状復帰に向けた陳列作業など、多くの手間が伴いますが、そうした工程も含めて一貫してご対応いただけたことに感謝しています。
小俣:
ありがとうございます。実際のところ、流通のご担当者に同様の交渉を行おうとすると、やはりハードルが高いと感じることがあります。営業担当者からバイヤーの方に内容を伝える際も、調整が難しかったり、伝わりづらかったりすることが多いのではないでしょうか?
吉岡:
営業と商品部とのやり取りは、主に売上構築の内容かと思います。今回のようなショッパー検証は、直接的に販売につながる施策ではありません。
ですので、こうした検証・解析ベースの話を営業現場から商品部へ共有・展開するのは、やはり難しい面があるのではないかと思います。その点で、御社に調整いただけることは、現場対応がスムーズに進められ、非常に大きなメリットでした。
小俣:
ありがとうございます。その点で商流とは関係なく、弊社が入ることでメリットを感じていただけたことを嬉しく思います。
今回実施した調査結果のデータの中で、「面白い」「興味深い」と感じられた部分を教えてください
小俣:
今回Go Insightをご利用いただいたのは初めてかと思います。データの中で「面白かった」「気になった」といった点があれば教えていただけますでしょうか。
吉岡:
今回、店頭にPOPを設置したり、レジ前に製品を置いた際の反応を調査しました。実際に生活者の店頭での購買行動を映像で確認できたことが非常に面白かったです。また、購買行動を定量的な数値で把握できた点も非常に興味深かったです。
まず、映像での購買行動の確認についてですが、POPを見てもらえる時間が予想以上に短かったことや、AIDMAで言うAction(行動)の「最後の一押し」が必要だと改めて感じた点など、気づきが多かったです。
定量的には、設置した施策什器の前で「什器を見たかどうか」の立ち寄り率、その後「POPを見たかどうか」の認識率、そして「製品を手に取ったかどうか」など、施策の効果を段階的に捉えることができ、どこに課題があるかを把握することができました。これが非常に面白かった点だと考えています。
小俣:
実際に段階的に切り分けて調査を見ていただいた際に、どこに課題があり、どのように改善していくべきだと感じましたか?
吉岡:
今回、POPを見てもらえる時間が思ったよりも短かったことから、もっと瞬発力のあるPOPや店頭での訴求方法の改善、リテールメディア活用などにつなげていくことを考えています。
小俣:
私自身も調査に参加しましたが、まず目を引くことの重要性や目立つことの大切さを再認識しました。その上で、そこから消費者に読み込ませるための工夫が必要だという点も改めて感じました。これから改善を重ね、テストを繰り返し、御社の施策の改善に協力していければと思っています。今後も何かご要望があれば、いつでもご連絡いただければと思います。
これまでは、どのような調査を実施されてきましたか
小俣:
これまでに御社で行ってきた調査について、どのような調査を実施されてきたのか、いくつか教えていただけますか? アンケートやCLT(Central Location Test)など、さまざまな方法があるかと思いますが、いかがでしょうか。
吉岡:
私の担当した調査について絞らせていただきますと、主にショッパーマーケティングに関する調査を行ってきました。その中で、店頭カメラやレジカートを使用した購買行動や店内導線の調査も行ってきました。
過去に行った調査の中には、例えば売り場の外周を辿るお客様に、精肉売り場でレギュラーコーヒーのクーポンを出すといった検証もありました。基本的には「トライ・アンド・ラーン(Learn)」を繰り返しながら学びを得て、次に活かしていくという形で進めてきています。
小俣:
私たちも「トライ・アンド・ラーン(Learn)」のプロセスに伴走し、いつでも支援できればと思っています。場合によっては、うまくいかなかった結果も重要な学びとして活かせることがあると考えていますので、しっかりレビューしていきたいと思っています。
吉岡:
「トライ・アンド・ラーン(Learn)」の“ラーン(Learn)”の部分がなかなか得づらいこともあるかと思いますが、レビューからヒントをいただければ、知見として捉えられる部分だと思います。
小俣:
時には、良くないデータが出ることがあります。その場合、どのように報告するか迷うこともありますが、率直に伝えることで施策を改善していただいた方が良いと考えています。今後、もし再度調査を行う機会があれば、率直な意見をお伝えできればと思います。
今後、Go Insightをどのように活用していきますか
吉岡:
調査結果で得た知見を活用して、生活者に向けた施策を磨き上げることで、我々の目的であるショッパーへの最適な買い物体験の提供に活かしていきたいと考えています。我々の中で得た知見を、次の施策に繋げるために活用している段階です。
今後、同じような型で調査を行い、さらに他の検証も加えて、社内外にどんどん発信していければと思っています。
小俣:
なるほど、ありがとうございます。調査結果を基に施策を立案し、それを実行・検証していくという形で活用されているのですね。それでは、今後弊社が提供している「Go Insight」サービスを、どのように活用していきたいとお考えでしょうか。
吉岡:
そうですね、取り組んでいきたい内容として、私たちショッパーマーケティンググループは、生活者の買い物体験の向上と考えています。具体的には、以下の3段階で買い物体験を捉えています。
1つ目は、ご来店されたお客様が嗜好品棚に足を運ぶという「来棚」の段階。
2つ目は、来棚された方がストレスなく楽しめる買い物、あるいは新たな発見があるような買い物を体験していただくこと。
3つ目は、「楽しい演出」によってその体験をさらに充実させることです。
今回は、売り場への誘引施策としてPOPや什器を用いた取り組みを行いましたが、今後は定番売り場における「楽しい買い物」の実現に注力していきたいと考えています。たとえば、売り場の什器や施策でどれくらい立ち止まっていただけるのか、製品を手に取って比較してもらえるかといった点を観察・検証し、次のアクションにつなげていきたいと思います。
小俣:
現在、定番商品の重要性が改めて高まっていると感じています。各企業でも、エンド(陳列棚の両端や通路沿いの端の棚)の入れ替え頻度が減少している中で、日常的に並んでいる定番商品をしっかりと売っていく施策が、いま強く求められているのではないでしょうか。
吉岡:
定番商品の販売は、非常に重要と捉えています。メーカー・小売店・生活者の三者が「win-win-win」の関係を築くことがよく言われますが、定番商品の中でより良い買い物体験を実現していくことが土台だと考えています。そのためにも、定番にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
小俣:
また、流通の方々とお話ししている中で、「価格訴求が難しくなってきている」という声をよく伺います。原材料価格の高騰などの影響もあり、単純な値下げではなく、売場での企画や見せ方によって、いかにお客様に気づいていただき、手に取っていただくかがますます重要になっていると感じています。
そうした背景も踏まえ、今後もぜひ一緒に取り組みながら、特に嗜好品売り場を中心に、より活性化された魅力ある売場づくりを目指していければと思っています。
生活者の嗜好を反映したコーヒー売り場の新たな方向性
小俣:
現時点で「定番」に取り組む上で、何か有効な方法や型のようなものはあるのでしょうか?もし仮説や、現時点で正解に近いと考えているやり方があれば、お聞かせいただけますか?
吉岡:
そうですね。今あらためて、生活者がどのように購買決定を行い、どのような視点で売場を見ているのかを紐解いているところです。
これまでは、製品の容器形態や既存カテゴリーに基づいた提案や棚割を行ってきました。しかし現在では、生活者の価値観も多様化しています。たとえば「インスタントコーヒー」「レギュラーコーヒー」といった従来の区分に加え、「ブラックコーヒー」「甘いスティック」など、より嗜好性に基づいた分類が求められるようになっています。
また、「パウダードリンク」という括りで見ると、ココアや紅茶、インスタントコーヒーといったお湯で溶かすホット飲料全体が、よりシームレスにつながる形になってきています。
だからこそ、生活者の視点を再整理し、それを売り場=定番棚に反映していくことで、生活者にストレスのない買い物体験や、新たな気づきを提供できると考えています。
小俣:
まさに、使い方などの視点を変えて、お客様が使いやすく、比較しやすい商品が並んでいるような売り場にしていく感じでしょうか?
吉岡:
その通りです。CDT(コンシューマー・デシジョン・ツリー)を見直していきます。
小俣:
それでは、嗜好品の売り場について改めて伺いたいのですが、どのような特徴があるのでしょうか?
吉岡:
弊社のスローガンでも「いつでも、ふぅ。AGF」というメッセージを出していますが、生活者が嗜好品に求める価値は「ふぅという一息をつく時間」ではないかと考えています。その「ふぅ(一息)」も非常に多様で、例えば普段飲んでいるコーヒーや、外食のカフェで楽しむような特別感のあるコーヒーを自宅で楽しみたいというニーズもあります。こうした特別な時間や自分だけの時間を過ごすための商品群が嗜好品カテゴリーだと捉えています。ですので、多様な価値観が反映された売り場ではないかと思っています。
小俣:
なるほど、売り場における商品の選び方について、どのように比較検討されているのか、非常に興味深いです。
吉岡:
コーヒーのカテゴリーでは、自分でレギュラーコーヒーをドリップしてこだわって飲みたい方もいれば、個包装タイプを好む方もいます。さらに、お湯に溶かすだけのパウダードリンクに関しては、色んな味、バラエティを楽しみたいというニーズも出てきています。その中で、指名買いやその時の気分による選択、またバラエティを求めてさまざまな種類を買い回る方がいます。
小俣:
ECと店頭を比較すると、食品カテゴリー全体では店頭が圧倒的に多いと思いますが、コーヒーに関してはECの比率も高いと感じていました。実際、店頭の需要は非常に高いのでしょうか?
吉岡:
店頭でコーヒーを購入される比率は高く、特に非計画的に買ってしまうシーンが多いと捉えています。
小俣:
そのため、今後も店頭での活動を強化し、店頭で新しい気づきを提供することで、そこからファンになってもらう活動を進めていく必要があるわけですね。
吉岡:
製品との出会いから、買って、飲んでいただき、ファンになり、その後SNSなどで発信が広がっていくプロセスを、一連のお客様の買い物体験として捉え、それを向上させていくのが私たちのショッパーマーケティングの活動です。
小俣:
店頭での出会いが非常に重要ですね。
今回の支援を通じて本当に嬉しく思いますし、今後も当社のサービスを活用して支援していければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
吉岡:
こちらこそよろしくお願いします。
【番外編】
諸戸:
ところで、吉岡さんが御社の製品の中で、個人的に一番好きな商品はどれですか?
吉岡:
一番好きな商品ですか?
諸戸:
はい、そうです!
吉岡:
うーん、2つあるんですが…1番と言われると…やはりブレンディスティックですね。
はい。ブレンディスティックはやっぱり美味しいですし、何かすごくほっとするというか、心の安定に繋がるような価値があると思っています。販売する商品としても好きですし、自分が飲むものとしても好きですね。
それから、もう1つは最近使ってハマっているのが、ブレンディのマイボトルスティックという商品です。会社に来ると、いつも自分の水筒にスティック1本分を入れて、ウォーターサーバーで水を入れて、仕事しながらチビチビ飲むのですが、一度習慣になるとすごく便利です。
これから広げていきたいという商品なので、自分で実際に使ってみてすごく良かったので、生活者の方にぜひ伝えていきたいと思っています。
マイボトルを利用する方が増えてきて、自宅だけでなく、外出先やオフィスでも使いやすい個包装で持ち運びがしやすいので、本当に便利です。
諸戸:
素晴らしいです!私も早速買ってみます。
吉岡:
ありがとうございます。ちなみに、当社の製品では緑茶だけでなく、フルーツ風味のフレーバーも揃っています。ピーチルイボスティーやマスカットルイボスティーなど、ちょっとした工夫を加えた味が揃っています。他に、レモンやアセロラのフレーバーもあり、水分補給にぴったりのラインナップです。どれも仕事をしながら飲むのにもぴったりですね。
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