- GOURICA MarketingHOME
- >
- サービス
- >
- Go Insight
- >
- コラム
- >
- リアル行動データプラットフォームを活用した効率的な集客方法とは
2022.01.18
リアル行動データプラットフォームを活用した効率的な集客方法とは
"行動データの分析”を実施していますか?行動データを紐解き、施策立案&実行のPDCAに反映していくことで売上の最大化を目指すことが出来ます。本記事ではGPSとビーコンを用いて行動データを分析しているunerry様とAIカメラを用いて行動データを分析しているコニカミノルタがそれぞれの視点から行動データを解説します。動画版もありますのでぜひ合わせてご覧ください。
株式会社unerry
Beacon Bank事業部
高橋 卓弥
博報堂グループの広告会社の営業プロデューサーとして従事し、メガバンクや保険会社のダイレクト施策からブランディング施策まで広く担当。デジタルマーケティング領域の施策設計に強みを持つ。その後2020年からunerryに参画し、セールス領域を担当。お客様の課題に合わせ、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を活用した来店/来棚施策や分析可視化、混雑度可視化等のサービスを提供し、流通・メーカー含めの幅広いクライアント様の課題解決に取り組んでいる。
コニカミノルタ株式会社
Go Insightセールスチーム コンサルタント
羽田 貴明
大学にてマーケティングを専攻し、大手Sierの営業職として就職。専門商社に転職し、日本と中国にて数十億規模のプラント事業に携わり、複数のプロジェクトリーダーを歴任。2019年に「サイエンスの力でマーケターのやりたいを実現する」というKMMSのミッションに魅かれて参画。学生時代に没頭した「消費者行動」が今、Go Insightを通じて仕事に。好きな言葉は「現調」。
行動データとは
行動データとは、マーケティングにおいて用いられる言葉で、お客様の行動に関する事を数値やデータで表したもの。
例えば、店舗への訪問回数、滞在時間や店舗内での導線や購入品など。これに加え、近年ではオンラインである自社サイトへの訪問時間や滞在時間なども示す言葉として用いられる。
このような行動データは小売店舗での販売促進にも活用することが出来るため、近年注目を集めている言葉の1つ。
リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を活用した効率的な集客方法とは?
株式会社unerryの高橋様より、”行動データ”のプラットフォーム「Beacon Bank」を活用した、効率的な集客方法についてお話いただきました。
行動データを活用したデジタルマーケティング
高橋様:
unerryの得意領域はお店の外からお客様を連れてきて、購買までを計測及び可視化できるところです。
みなさまがよく実施されているマーケティング施策として、オンラインのデータを活用した施策があります。自社のWebページに来訪した方への広告配信や、オンラインの興味関心をベースにした広告配信などです。
しかし、近年インターネットのクッキー規制の問題が厳しくなり、なかなかオンラインのデータが取りづらくなっています。また、オンラインで興味があることと、実際に店舗に訪問するかは別ということもあります。
そこに対して我々は、例えば外を歩いたり、お店に入ったり、お店の中を回遊したりといったようなリアル行動データを取得・活用しています。
unerryでは、それらの行動データを「Beacon Bank」というプラットフォームに蓄積し、AI解析しております。
また、この行動データは、我々が連携しているスマートフォンアプリのユーザーからオプトイン頂いたもののみ取得し、マーケティングに活用しています。
行動データのビッグデータを保有
高橋様:
このアプリケーションは、現時点で延1.1億ダウンロードほどあります。またGPSと併せてビーコンについては全国約210万箇所の登録があり、日本最大級と言っても過言ではない、十分なデータボリュームを確保できています。
我々はこの「Beacon Bank」において人々の行動のデータを分析・可視化し、それを用いてお客様の集客に活用しています。
unerryイチオシの行動データを用いた小売り様/メーカー様向けの施策とは?
高橋様:
「ショッパーみえ~る」と「Beacon Bank AD」という可視化分析・広告メニューを用意しておりますので、是非お試し頂きたいと思っています。また、両メニューを組み合わせることでより良い効果が出ると考えているので、併せてご導入頂き、集客効果をご実感いただけたら嬉しいです。
–ショッパーみえ~る
「ショッパーみえ~る」はダッシュボードツールです。
例えば、自店舗に来訪したお客様はこういう居住地に住んでいるからチラシを撒いた方がいい、またはチラシ以外にも色々な施策をやった方がいいなど、さまざまな施策のソースとなるような行動データを可視化します。
–Beacon Bank AD
次に「Beacon Bank AD」は、まさに人々の行動をベースに配信できるWeb広告メニューです。行動をベースにしたターゲティングは2種類ありまして、1つは過去の行動をベースにしたターゲティング、2つ目は今いる場所を基にしたリアルタイムなターゲティングです。
1つ目の過去の行動を基にしたターゲティングは、例えば、過去1年間でお店に数回以上来ている人に広告を配信することができます。オフラインのリターゲティングのようなイメージです。
他には、競合店に来店している人を集客する、コロナ禍等で離反している人を連れてくるなど、柔軟なターゲティングができます。
2つ目のリアルタイムなターゲティングは、特定の場所の周辺に今いる人にリアルタイムで配信する手法です。
上記どちらのターゲティングでも来店や来棚の計測もできますので、Web広告配信者の中での来店数を把握することもできます。
「Beacon Bank AD」の特徴をまとめると、以下の通りになります。
- ターゲティング:「Beacon Bank」にて構築している生活者のリアル行動ビッグデータを基に「過去の行動をベースにしたターゲティング」や「今いる場所を基にしたリアルタイムなターゲティング」を行い、商材との親和性の高い方を狙い撃ちできる
- 計測:ビーコンという IoT機器を店舗に設置することで来店計測ができるようになるので、広告を配信した人の中での来店数が分かる。そうすることで、来店者を1人連れてくるのにいくらかかったかを算出できるので、1人当たり100円で新規集客出来たケースの場合、そのお店の客単価が1,000円だと非常に効率的な広告、という評価ができる
「ショッパーみえ~る」+「Beacon Bank AD」の活用について
高橋様:
「ショッパーみえ~る」を用いて、お客様の性別や年代の把握、またお店の外でどのような行動をしているのかなどを「見える化」する。そうするといくつかの課題やプロモーションの示唆が見えてくるので、例えば集客の課題であれば「Beacon Bank AD」を使って頂くというのが理想的な使い方だと思っています。
棚前の行動データに関するサービス「タナクル」
高橋様:
次にメーカー様に対してですと、棚前への来訪者数に関しても計測する事が可能です。
ビーコンを設置できる棚前用のサイネージを商品が配下してある棚に置いていただくことで、サイネージでの動画訴求に加え、広告配信した方のうち何人が棚前まで来てくれたかというところまで計測できます。
購買に関する行動データを追える「Beacon Bank リテールメディア」
高橋様:
さらに、我々のサービスを使えば購買人数まで計測することができます。
「Beacon Bank リテールメディア」は、小売様がお持ちの購買データ(ID-POS)と我々が持っている行動データ(「Beacon Bank + ID-POS」)を用いて購買まで計測できるメーカー様向けのメニューです。
こういった行動×購買データを用いた広告配信を行うことで、お客様の中でどこに課題があるのかを把握することができます。お店にそもそも来てもらえていないのか、棚前まで来てくれているけれども買ってもらえていないのかなどを数値実績として可視化することができます。
店舗集客はもちろんですが、さらにどこに課題感があるのかを見つけていただく為に我々のサービスをうまく使っていただきたいと思っています。
棚前のショッパー行動データの見える化で実現できる事
コニカミノルタマーケティングサービス株式会社の羽田より、コニカミノルタが提供するGo Insightという「実店舗の棚前の購買行動データを可視化できるサービス」を通して、棚前のショッパー行動データの活用について解説致します。
Go Insightとは
羽田:
Go Insightは、実店舗の棚前の購買行動データを可視化できるサービスです。カメラ画像を通して、棚前での消費者行動が見えてきます。
また、弊社のデータサイエンティストがデータを分析し、新たな気付きや示唆をご提供するところもGo Insightの大きな特徴です。
コニカミノルタマーケティングサービスでは、リアル店舗でのショッパー行動を分析するサービスを展開しております。サービスの全貌をご理解頂くべく、「3分でわかるGo Insight」を用意しました。社内共有も可能な利便性の高い資料ですので、ぜひお手に取ってみて下さい。
棚前のショッパー行動データのアウトプット例
羽田:
アウトプットの一例をあげます。
こちらはチョコレート売り場のデータですが、一番上のところに森永製菓さんのダースという商品がありますが、一番右側の44といったところが商品に接触した回数、18というのが実際に購入された回数となります。水色で示しているところは触ったにも関わらず買わなかった人です。
このような接触・非接触のデータは、Go Insightを様々なメーカー様にご提供させていただく中で、マーケターの方から非常にご好評いただいている部分です。
ご好評を頂いている最大の理由は、「ID POSでは見えてこないデータが取得できるツール」だからです。
- 購入者・非購入者の行動から見るショッパーの興味・関心
- カテゴリー全体の売り場状況
- 自社商品のポテンシャル、他社商品との買われ方の違い
- 販促物、キャンペーンの売り場での効果
ショッパーの興味関心やカテゴリ全体の売り場の状況で、自社商品のポテンシャル、どのような形でお客さまが商品を選んでくれているのかを見ていくことができます。
≫3分でわかるGo Insightはこちらから。
Go Insightの導入事例
羽田:
お客様の声としてヤクルト本社様にご活用頂きました事例をご紹介いたします。
ヤクルト様が検証したかった事はゴールデンゾーンや、カテゴリー優位性や販促物の効果です。これらをデータで証明できたところがGo Insightをご支持いただいた点でした。
ABテストを行い最も商品が購入される棚割パターンの検証や、売場前に立ち寄った秒数、立ち寄りまでにどれぐらいの時間がかかったのか、計画購買率の高さなどを紐解き、販促物の設置前後で買われ方の違いを明らかにしていきました。
そうすることによってヤクルト様では、Go Insightの行動データ、ファクトデータを強みにしていただき、営業の強い武器にしていただけたところが非常に良かったと評価して頂いております。
≫Go Insightのその他の導入事例集も公開しております、こちらからどうぞ。
行動分析のヒントがあるかもしれません。
行動データに関するトークセッション
最後にお二方でのトークセッションと、お悩み相談会として、視聴者の皆様から頂いた質問に回答させていただくQ&Aを行いました。
Go Insightはどんな店舗でも実施可能ですか?
羽田:
概ね実施可能です。Go Insightは流通様とのアライアンス先がいくつかあり、来店者数がデイリーで5,000人ぐらいの大きなスーパーマーケットや、売上規模9,000億ほどのドラッグストア様やホームセンター様ともアライアンス関係にあり、複数企業様と提携関係にありますので調査の依頼をいただいてからすぐ調査を開始できるというところが一つポイントになっています。
当然アライアンスのないような企業様とも設置の交渉段階から入らせていただいて、流通様に享受頂けるようなメリットもお伝えしつつ、弊社にて交渉をさせて頂きます。
触った・かごに入れたカウントはどのようにされているのでしょうか?
羽田:
商品の接触に対して属性の判定やかごに入れたところは、一部目視のアノテーション作業というものを入れております。属性の判定に関しては、コニカミノルタの姿勢解析の技術を取り入れています。例えば髪の長い男性客や髪の短い女性客といった判別が難しいケースも、目視のアノテーション作業を入れる事で確実なデータを取得しています。
リアル行動データによる販促効果測定はどのくらい妥当性がありますか?
羽田:
例えばECサイトは、どの商品をお気に入りに入れて、購入しクレジット決済したか、そこまでの行動を追っていけるのでコンバージョンが非常に出しやすいです。一方でリアル店舗において、POSデータではこれからの購買前の行動を追う事は出来ません。しかし、Go Insightであれば、例えば販促を打ち、キャラクターとコラボした際など、販促に投資した際にお客様が購買前にその商品にどれくらい立ち寄っているかなどECサイトのような細かい購買前の行動が可視化できるので販促測定効果の妥当性は非常に高いです。
その他、流通様にとって大切なカテゴリ全体の売上を上げるという点についても、POSデータのカテゴリ全体の売上が上がったという結果だけでなく、実際の売場立寄率がどれぐらい増えたかというところを可視化出来るので、売場にお客様が沢山来る事で店舗の売上が上がる可能性が高いという仮説の証明になってくると思います。
デジタル広告を実施したいが何から手を付けたらよいのか分からない
高橋様:
やりたいけど何から手をつけていいのか分からない、そもそものメディアの選定も大変で、何が最適かも分からない。更に様々なセグメントを作り配信するにしても、最適なターゲットやクリエイティブが分からないという悩みは多いと思います。
このあたりは我々に質問を素直にぶつけていただければ、そもそもお客様にとって、集客をしたいのか、そもそも集客をしたいけれども、認知がなければ知らないから来ないといったような、課題に対して何をやったらいいのか、というところを並走して考えて、一緒に最適なものを見つけていくといった動きができればと思います。
自社でビーコンを設置しないと実施は出来ないのか?
既に設置済みのビーコンからもデータ取得可能なのか?
高橋様:
我々がすでに今この瞬間もGPS とビーコンでデータを収集しておりますので、そのデータをご活用いただくことができます。一方、来店計測になるとGPSで出来ることもありますが、基本的には個別にビーコンを設置して計測しております。例えばビルインのお店、オフィスの1階にあるドラッグストアなど、このような場所だとGPSだけだと上下階の情報が入り、上にあるオフィスに来ている人も拾ってしまう為、ビーコンをつけていただいた方が精緻な数値が取れます。ビーコンの手配や設置、電波強度の調整なども我々がサポートをしております。
既にビーコンを設置済みの場合は、我々の「Beacon Bank」にそれらの端末をご登録いただくことで活用可能。また、アプリを運用されているお客様であればアプリに我々のSDKを入れていただくことで行動データを活用することができます。
位置情報×棚前データで出来る事
羽田:
unerry様のソリューションも弊社のソリューションもショッパーの行動を可視化するという点では、近しいところがあるかと思います。
高橋様:
そうですね。それぞれの商材で、得意領域がうまく噛み合っていると思っています。
集客に課題を感じている小売様もいらっしゃいますし、メーカー様ですと商品を置いても、なかなか買ってくれないなど、なぜ買ってくれているのか、買ってくれていないのか分からないといったお客様の課題に対して、その時々でうまく組み合わせていただくのが良い使い方だと思いますね。
また、個人的にすごく面白いなと思うのが、僕自身もスーパーへ行く時に、商品をとって戻す事が結構ありますが、覚えていない事が多い。お客さんも無意識の中で買い物をしていて、カメラをつけないとメーカー様も分からないし、ある意味世の中の誰も見えない情報なんですよね。
ただそれはよく考えたら重要な点だと思います。商品を手に取ってくれたのに戻した、その理由が分かってくると、手に取ってもらえるようなプレゼントキャンペーンや、パッケージを変えるなどという施策に繋がっていくと思うので、その辺のデータを見える化する事はすごく重要なことだと思います。
最後に
高橋様:
「Beacon Bank」を皆さまの課題に応じて上手く使い分けていただいて、そもそも使えるのかといったライトなご相談ベースでいいので、ご相談いただきたいですね。
我々の理想的な形の関係性としてはいえば、メーカー様や小売様と我々が一緒に連携して進めていくことでできることも増えると思います。
羽田:
コロナ禍になって新商品が売れづらいというところをメーカー様からお声としていただきます。その中で販促費もかけにくいというお話もいただいています。
広告戦略や販促施策にかける金額もマーケターや営業推進の方々のお悩みの一つだと思っています。お悩みに応じてアドバイスをさせて頂ければと考えておりますので、色々とご相談を頂けますと嬉しいです。