BPO導入における4つの課題と対策は?メリットや業務領域別の活用例も解説

業務改善 2023.12.08

アウトソーシングの1種として知られるBPOを導入する企業が増えています。しかし、BPOにはメリットもある反面、課題も多く見られます。また、コスト削減や業務効率化にとどまって、BPOを活用しきれていない企業も少なくありません。この記事では、BPOの課題と対策、メリットや業務領域別の活用例を解説します。

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BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?

BPOとは特定の業務プロセスを委託するアウトソーシングの1種です。マネジメントからオペレーション、人材や機材などの準備まで、業務に関わる全てをBPOサービスに任せられます。BPOサービスにはそれぞれ決まった専門分野があり、専門的なノウハウやスキルを活かして依頼された業務に取り組みます。

BPOとアウトソーシングの違い

BPOとアウトソーシングの違いは、委託できる範囲と仕事のクオリティに見られます。前述したとおり、BPOでは業務プロセスを丸ごと委託できます。一方、アウトソーシングで委託できる範囲は、業務プロセスの限られた部分のみです。また、アウトソーシングの仕事のクオリティはそれほど高くありませんが、BPOの場合は効率・品質ともに高いレベルを期待できます。

企業がBPO導入を決断する理由

企業がBPO導入を決断する理由を以下に示しました。

・人材不足に対応するため

・有期雇用契約から無期雇用契約に転換する従業員数を抑えたいため

・時間外労働の規制により足りなくなったリソースを補うため

・外資系企業の増加によりアウトソーシング需要が拡大したため

・専門性や最新技術を業務に取り入れたいため

・従業員を本来の業務に集中させるため

・費用対効果を高めるため

BPO導入の4つの課題と対策

ここではBPOを導入する課題を解説します。課題への対策も紹介するので、上手くサービスを活用しましょう。

従業員のモチベーションが低下する

BPOを導入すると、それまで業務を担当してきた従業員の処遇に悩まされる場合があります。一方的な解雇・配置転換は望ましくありません。面談してキャリアに関する考え方を聞いて処遇を決める、異動先に馴染めるようにケアするなど、従業員のモチベーションを保つよう配慮しましょう。

自社にノウハウが残らない

業務を丸ごと委託するBPOでは、社内にノウハウが残りません。将来的に自社運用に戻したくなっても、ノウハウがなければ難しいと考えられます。情報共有を密にする、定期的にレポートを出してもらうなどして、ノウハウ不足をカバーしましょう。

情報漏洩の懸念がある

委託する際に自社の情報を渡すため、BPOには情報漏洩のリスクがあります。情報漏洩すると、委託先だけではなく自社の社会的信用も損なわれてしまいます。委託する業務プロセスを絞る、強固なセキュリティ体制のBPOサービスを選ぶなどして、情報漏洩のリスクを減らしましょう。

戦略的な活用方法が分からない

本来BPOは、ノウハウやスキルを期待して委託するものです。しかし、コスト削減や業務効率化にとどまって、BPOを活用しきれていない企業も多く見られます。自社の課題や強化したい部分を明確にしたうえで、専門性を重視してBPOサービスを選びましょう。

BPO導入の3つのメリット

BPO導入のメリットとして、コア業務への集中、品質向上・効率化、最新技術の活用について解説します。

コア業務への集中

ノンコア業務を業務委託に回すと、従業員がコア業務に集中できます。ノンコア業務はイレギュラーで発生するものが多く、不慣れな従業員は多くの時間を費やしかねません。BPOでノンコア業務を削減すると、企業としての競争力が高まり事業の成長を加速できるでしょう。

品質向上・効率化

BPOサービスは優れたノウハウとスキルを持っているため、業務を一任すると、品質向上と効率化が見込めます。業務全体を、以下の視点で見直してもらいましょう。

・業務フローの見直し

・無駄なプロセスの削減

・標準書やマニュアルの整備

・ITシステム・ツールの活用

最新技術の活用

最新技術を自社で取り入れようとしても、リソースの問題であきらめている企業は多いと考えられます。委託するサービスにもよりますが、BPOではAIやチャットボットなどの最新技術を業務に活用してもらえます。

BPOの導入に向いている業務領域

間接部門とは、売上を出さないものの企業活動をサポートする部門のことです。間接部門でBPOの導入に向いている業務領域には、総務、人事、財務・経理、調達・購買関連などがあげられます。

直接部門とは、製造や営業など売上に直接貢献する部門のことです。直接部門でBPOの導入に向いている業務領域には、カスタマサポート、製造、物流・デリバリー、事務処理、マーケティング・セールスなどがあげられます。

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BPO業界の展望

BPO業界の展望を、市場規模の予測や、将来的に注目されるAIの活用に触れつつ解説します。

市場規模は拡大する

IDCは、2022年5月10日に国内BPO市場予測を発表しました。2021年の国内BPO市場は、前年比5.1%増の8,856億円でした。対して、2026年の同市場規模は、1兆717億円程度まで成長すると予測されています。

2022年から2026年にかけて成長率は控えめになるものの、BPO市場は拡大し続ける見込みです。成長を阻む要因には、新型コロナウイルス感染症による悪影響があげられます。

※参考:国内BPOサービス市場予測を発表|IDC

AIが活用される

BPOにAIが活用されると、情報の高速処理、分析の高精度化などが期待されます。特にBPOへの活用が増えると予測される技術が「AI-OCR」と「RPA」です。

AI-OCRとは、AIを利用して手書きや印刷による文字を読み取る技術のことです。AIを活用すると、読み取り精度が大きく向上します。RPAとは、ルーチンワークを自動化するシステムのことです。単純なデータ処理や情報収集、メール配信などはRPAで効率化できます。

【業務領域別】BPOの活用例

BPOの活用例を解説します。自社でBPO導入を検討するときの参考にしましょう。

人事関連の活用例

人事関連でのBPOの活用例は以下のとおりです。

・福利厚生

・採用活動

・社員研修

・勤怠管理

・届出・照会業務

・給与計算

・年末調整

・異動や退職など人事関連の手続き

・社会保険料の計算や加入・資格喪失手続きなどの社保関連業務

・マイナンバー関連の登録業務

・定期健康診断への対応

総務関連の活用例

総務関連でのBPOの活用例は以下のとおりです。

・来客応対

・代表電話対応

・備品管理

・請求書や契約書などの文書管理

・宅配便や郵便物の配送・受取

・名刺や社用封筒の印刷

・社用車の管理

・社用施設の管理

・オフィスの移転やレイアウト変更の手配

財務・経理関連の活用例

財務・経理関連では、比較的早くからBPOが普及しています。BPOの活用例は以下のとおりです。

・伝票入力

・請求書作成

・税務処理

・固定資産管理

・記帳代行

・売掛金管理や買掛金管理

・経費精算業務

・決算業務

・債券債務管理

・ファイリング

・証憑スキャニング

カスタマサポート関連の活用例

カスタマサポート関連業務とは、顧客対応に関係する業務全般のことです。BPOサービスには、チャットデータのテキストマイニング、通話履歴の解析なども委託できます。顧客ニーズを抽出して、マーケティングに反映しましょう。

調達・購買関連の活用例

調達・購買関連業務では、原材料や部品など売上に関わる直接材や、消耗品のように売上に関わらない間接材を取り扱います。BPOの活用例は以下のとおりです。

・業界調査

・市場調査

・調達先の選定・管理

・調達先の情報収集

・調達購買代行

・価格交渉

・業務関連システムの運用・保守

BPOサービスの選定ポイント

それぞれのBPOサービスは、得意とする業務領域や特徴が異なります。BPOサービスの選定ポイントを解説します。

自社の目的に合っているか

BPOサービスごとの得意分野を理解して、自社の目的に合うものを選びましょう。前述したような業務領域だけではなく、コスト削減や業務効率化といった解決してくれる課題にも注目してください。導入実績は十分か、自社と同業界での導入実績があるかも確認が必要です。

セキュリティ体制がしっかりしているか

前述したように、情報漏洩を防止するためには、BPOサービスのセキュリティ体制を重視する必要があります。セキュリティ体制を見るには、プライバシーマークや、ISO/IEC27001があるかがポイントです。

依頼をこなせるだけの規模があるか

BPOサービスの規模が小さいと、依頼をこなせず業務不履行になるおそれがあります。また、トラブルが起きても責任を負ってくれるとは限りません。依頼内容に見合ったサービスを選びましょう。

費用は適切か

BPOサービスごとに、導入費・維持費を比較しましょう。費用が安くても対応範囲が狭ければ、あとからオプション分を請求される場合があります。依頼できる内容と費用を見比べて、費用対効果の高いサービスを選ぶ必要があります。

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まとめ

BPOを導入すると、専門的なスキルやノウハウを駆使して業務に取り組んでもらえます。ただし、従業員のモチベーションをどう維持するか、ノウハウをどのように獲得するかは、各企業の課題といえます。

Magonoteは、販促物・印刷物作成支援など小売り店頭でのサービス提供経験が豊富です。販促コストや工数の削減により、業務効率化が可能です。リソースを費用対効果の高い施策へ回すと、コア業務に注力できる体制を整えられます。既存のお客さまには、働き方改革実現に向けたDX推進、販促物のコスト削減、販促物の在庫最適化などにご活用いただいております。マーケティング領域のBPOを検討中の人は、ぜひMagonoteにご相談ください。

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