業務改善の基本手順・ポイントは?役立つフレームワークやツールも紹介

業務改善 2023.01.16

業務改善とは、企業の課題や問題点を見直し、よりよい状態を目指す行為を指します。この記事では、業務改善を行いたい人に向けて、業務改善が必要な背景やメリット、業務改善の基本手順などを解説します。業務改善に役立つフレームワークやツールも紹介するため、業務改善に役立ててください。

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業務改善とは?

業務改善は、明確になった企業の課題点や問題点を見直して、業務内容や工程をよりよい状態にする行為を指します。業務での無駄な工程を見直して、作業効率化を図る目的で行われます。

経費削減との違い

業務改善と似た言葉に経費削減がありますが、経費削減はコスト部分のみの削減を対象とした言葉です。業務改善が生産性や作業効率の向上を目的としているのに対して、経費削減はコストカットが目的です。

業務改革との違い

業務改善は、業務改革とも言葉は似ていますが意味が異なります。業務改善は業務をよくするために行う活動ですが、業務改革は、業務過程の一部あるいは全部を破壊してゼロから作り直す行為を指します。

「ムリ・ムダ・ムラ(3M)」をなくすことが業務改善のカギ

業務改善では、「ムリ・ムダ・ムラ(3M)」の改善が作業効率の向上に効果的です。ムダは不必要な業務や工程、必要量以上の生産などを指します。ムリは人手に見合わない業務量、実現不可能な計画や納期です。ムラとは、ムリとムダが混同している状態です。

業務改善が必要な背景

業務改善が必要とされる背景にあるのが、生産年齢の減少と働き方改革推進の2点です。生産人口が減少している現代では、人手不足は避けられません。少ない人手でいかに業務を効率よくこなせるかが、課題です。業務を見直して簡略化に成功すれば、少ない負荷でできる業務が広がるでしょう。

働き方改革により、長時間労働の見直しが進められています。少ない労働時間でも仕事量を確保するために、業務改善が求められています。

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企業が業務改善を行うメリット

業務改善を行うことで得られるメリットを5つにわけて解説します。

コストを減らせる

業務改善により無駄な業務が改善されると、時間内に業務が終了するため、人件費や光熱費の節約につながります。併せて、ペーパーレス化が進めば印刷や郵送、保管コストにかかる費用なども削減できるでしょう。

業務効率が上がる

既存業務の中には、削減しても業務に影響がない、無駄な業務や工程が発生している場合があります。業務工程を見直してムダやムラを改善すると、労働意欲も上がり、業務効率も向上します。

生産性が向上する

業務の効率化により無駄な業務が減るため、業務時間が短縮されます。1つの業務にかかる時間を短縮できれば、余った時間を別の業務にあてられるため、生産性が向上します。

労働環境改善・働き方改革推進につながる

業務改善を行うと、働き方改革を推し進められるメリットもあります。業務改善によりムリのある業務が無くなるため、従業員間の業務量や時間のムラも解消できます。ITツールを活用し、リモートワークを導入すれば働き方の多様化やワークバランスが向上し、長時間労働も減るでしょう。

従業員のモチベーションが上がる

業務改善で業務の効率が向上すると、従業員のモチベーションが向上します。業務の意義や目的が明確になると、従業員は、納得して業務に取り組めるでしょう。また、モチベーションの向上により従業員のストレスが減少して、離職率も低下します。

業務改善の基本ステップ

業務改善は、以下の4つの段階を踏んで行いましょう。

業務の可視化・全体像の把握を行う

従業員への聞き取りを実施し、改善すべき業務の内容や流れを可視化しましょう。業務にかかっている時間や業務に関わる従業員、業務内容などを明確にして、業務全体の把握を行います。

課題の洗い出し・整理をする

続いて、現在の業務における課題や改善点を明確にします。業務にムダがないか、業務量や日程にムリがないか、従業員1人ひとりの業務内容や業務量についても、洗い出しを行います。

優先順位の設定・改善計画の策定を行う

把握した現在の業務の課題や改善点について、取り組む優先順位を決めます。業務改善をいくつも同時進行すると、中途半端になりかねません。業務改善の優先度は、取り組みやすく改善の効果が見込めるものから進めます。

計画の実行・効果測定を行う

優先度の高い計画から順に改善を進めます。即日で改善結果を見込めるわけではないため、経過観察が欠かせません。業務改善は、PDCAサイクルを回しながら、長い時間をかけて進める必要があります。

業務改善の4つの方法

業務改善を行うには4つの方法があります。

業務をなくす

ムダな業務を削減すると、ほかの業務に時間や労力をあてられるようになります。目的やゴールのない会議や報告書や手順書の作成などのルーティン業務は削減可能な業務の1つです。

自動化する

同じタスクを繰り返す単調な業務を自動化できる、ツールやサービスを取り入れましょう。業務の自動化は、業務時間を削減できるだけでなく、ヒューマンエラーの低減にもつながります。

アウトソーシングする

イレギュラーが少ない定型業務を外部に委託すれば、従業員の負担が削減できます。単純な仕事をアウトソーシングすれば、従業員は利益に直結する業務に従事できるため、生産性が向上します。

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人員配置を変える

担当者の変更も業務改善の方法の1つです。従業員の能力や、技術、得手不得手などをふまえて適材適所に人員を配置すれば、従業員のモチベーションアップや業務の効率化が期待できます。

業務改善を進める際の注意点とポイント

業務改善を進めるためには、以下の点で注意が必要です。

長期的な目線で取り組む

業務改善は、結果が出るまでに時間がかかるため、短期間で効果を得ようとすると、思ったような結果が出ないまま施策が打ち切りになりかねません。業務改善は、長いスパンでの継続が大切です。

QCDのバランスを考慮する

業務改善には、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の3つを指すQOCのバランスを考える必要があります。品質、費用、納期の3つの要素は、どれかを選択すれば他方が成り立たないという、両立ができない関係性です。重視する点は考えつつも、優先順位が高い、Quality(品質)を筆頭に、Cost(費用)、Delivery(納期)の順で進めましょう

現場へのヒアリング・関係づくりを行う

業務改善では、現場で働く従業員の意見を聞き、業務内容や工程を理解したうえで、改善策を立てる必要があります。現場の従業員に業務改善の意図や目的を伝えて、業務改善の実施に理解を得ましょう。

業務改善に使えるフレームワーク【3選】

業務改善に使える3つのフレームワークを紹介します。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)は、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の4つの視点に立って業務改善を行うフレームワークです。業務の全体を把握したうえで、業務をどのように改善するかの判断をECRSに当てはめます。ECRSを利用すれば、無駄な業務や簡素化できる工程などが明確になるため、効率的に業務改善が推し進められます。

KPT

KPTとはKeep(継続)、Problem(問題)、Try(トライ)の頭文字を合わせたもので、業務改善の基本方針や振り返りに用いるフレームワークです。現状の業務を継続と問題に分けて、問題部分に取り組めば、スムーズな検証ができるため、課題の早期発見、解決が可能です。また、組織のコミュニケーション強化や、モチベーション向上にもつながります。

ロジックツリー

ロジックツリーは決定木分析とも呼ばれ、課題や問題点をさまざまな視点から掘り下げて原因を分析していくフレームワークです。切り口を分解して論理的につなげるため、原因や課題、改善方法の関係性が明確になります。ロジックツリーはマインドマップと一線を画すために、漏れや重複がないように、切り口を正しく設定する必要があります。

業務改善に活用できるツール

業務改善に活用できるツールを、改善事例と合わせて紹介します。

RPA

RPAはソフトウェアロボットを指し、Robotic Process Automationの頭文字をとって名付けられました。AIのように、自分で考えて行動はしないものの、単純化された業務やルーティンワークに迅速に対応します。定型業務をRPAが行えば、業務にかかる時間が削減できて、ミスが減少します。アウトソーシングできるものをRPAに移管し、従業員がコア業務に専念できる環境を構築した事例もあります。

タスク管理・プロジェクト管理ツール

タスク管理・プロジェクト管理ツールは、チーム単位でスケジュールやタスクの進捗状態やデータを共有したり管理したりするツールです。業務の管理をツールに任せると、スケジュール漏れや業務の遅れに迅速に気づくメリットがあります。プロジェクト管理ツールの導入により、各部門の連携が強まり、管理の効率化につながった事例があります。

MAツール

MAツールは(Marketing Automation)の略で、マーケティング業務の自動化を行うツールです。従来は時間のかかる見込み客の獲得やリードの分析の自動化により、マーケティング業務が効率化できます。メルマガ配信や名刺情報の連携などをMAツールで行い、マーケティングに活用して、業務改善を行った事例もあります。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールは、コミュニケーションをスムーズに行うツールの総称で、代表的なものがslackやzoomなどの社内SNSやweb会議ツールです。コミュニケーションの活用により、意思の疎通がスムーズになり、業務時間の短縮にもつながります。活用事例の一例として、Chatworkを導入し、メール返信の遅さを改善し、チームや案件単位での情報共有に役立てた例があります。

まとめ

業務改善は、ムリ・ムダ・ムラを無くし、業務内容やフローをよりよいものにするために行われます。洗い出した問題点について取り組みやすく、改善効果が望めるものから段階的に進める必要があります。業務改善を行う場合は、長期的な目線で現場の声を聞きながら段階的に進めましょう。

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