BPOの意味やメリットをわかりやすく解説。BPO業者を選ぶ際のポイントとは
BPOは業務効率化の手段として、日本の多くの企業が注目しているアウトソーシングの1つです。BPOの導入により、社内の課題克服や業務効率化につながるでしょう。この記事では、BPOの概要やメリット、デメリットをわかりやすく解説します。BPO業者を選ぶ際のポイントやBPOと混同しやすい用語についても解説するので、参考にしてください。
なお、BPOについて具体的に検討を進めたい方はこちらをご覧ください。
Contents
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは何か
BPOの正式名称はビジネスプロセスアウトソーシングで、「BPO」という略称で呼ばれています。企業が行う業務の工程を外部にまとめて発注することで、外部委託(アウトソーシング)の1種です。
一般的な外部委託では、ある事業の一部の業務を外部発注しますが、BPOの場合、BPO業者が担当する業務範囲は、対象業務の全体に及びます。企画から施策の実行、分析にいたるまでの業務プロセスをBPO業者に発注できる形になっています。
また、BPOで発注される業務は、企業のコア業務以外の部門が対象であり、CSやコールセンターなどのノンコア業務が外部委託されます。なお、販促に関するノンコア業務にお悩みの方はこちらをご覧ください。
BPOと混同しやすい用語とは
BPRとRPAは、BPOと混同されやすい代表的な用語です。それぞれの意味や特徴を解説します。
1.BPR
BPRの正式名称は、ビジネス・プロセス・リエンジニアリングです。業務全体に関わる作業や仕組みを長期にわたってチェックし、改善していくことを指します。日本語では「業務改革」と呼ばれ、すでに構築された習慣や業務に変化を与えられます。
BPOと異なる点は目的にあります。BPOの目的は「業務工程の改善」であり、「業務工程の改革」ではありません。BPRの場合、業務自体を行う価値があるかどうか、検討しチェックを行います。また、業務改善は一部の業務をチェックし、改善するものですが、BPRは業務の全体にわたりチェックと改善を行います。
2.RPA
RPAの正式名称は、ロボティック・プロセス・オートメーションです。ITやAIを活用して、業務の自動化を実現するツールを指します。作業手順が確立されている定型的な業務で成果を発揮しやすい点が特徴です。製造業の分野で積極的に導入され、業界に大きく貢献しています。
業務の工程を改善する「戦略」がBPOであり、業務の一部を自動化することで改善する「ツール」が、RPAと言えるでしょう。RPAを活用すれば、専門知識がない状態であっても、シンプルな操作で業務の自動化が図れます。エンジニアが不足している現代において、重要な技術です。
BPOは経営戦略の1つである
BPOが担う重要なミッションは、業務の品質向上や効率化の実現です。BPOを単なる外注として見るのではなく、業務全体の改善を見据えた経営戦略の1つとして見ることが大切です。BPO業者に既存の業務工程や手順で委託業務を行ってもらうのではなく、業務の品質向上や効率化につながるよう改善を依頼しましょう。
BPOを通して、業務に関わる課題の分析や、定型業務の流れをチェックし、改善することが可能です。企業が行ってきた業務を、BPOを機会にさらにブラッシュアップすることが可能です。
拡大し続けているBPOの領域とは
BPOでは、発注できる業務領域がある程度限られています。BPOの業務領域は、委託先において業務の高い再現性が確保でき、決まった業務内容や手順で実行できるノンコア業務が中心です。
営業のように、企業に対してダイレクトに利益をもたらすものは、現状委託できる可能性は低いでしょう。BPOで委託する業務の具体例としては、事務作業やコールセンター、受付業務や人材採用などがあります。
行政手続きやマーケティング、ITにもBPOが活用され始めているため、BPOの業務領域は今後も広がりを見せるでしょう。BPO業者によって提供するサービスの業務領域は異なります。事前に検討しているBPO業者へ直接確認してください。
BPOが生み出すメリットとは
BPOには、パフォーマンスの向上やコスト削減などの多くのメリットがあります。以下で詳しく解説します。
1.専門性の高さによりパフォーマンスが向上する
BPO業者の多くは、提供サービスの業務領域に特化した人材を保有しています。同時に多くのサービス事例を持ち、独自のノウハウが培われている点が強みです。専門性の高さが可能にした高いパフォーマンスにより、業務の品質向上が期待できるでしょう。
対象サービスのノウハウや専門知識によるサポートを受けるため、コンサルティングを依頼できる場合もあります。外部委託のため、社内の人材育成や新しい人材獲得の時間とコストの負担がなくなるのも、大きなメリットです。BPOを導入することで、業界に特化した優れた知識とパフォーマンスを利用でき、安定したサービス提供が受けられます。
2.手間やコストを削減できる
BPOを活用すれば、業務の効率化が可能です。社員の教育なども必要ないため、業務の運用にかかるコストの削減が可能です。業務を内製している場合は、繁忙期や閑散期など、時期によって変動する業務量に対し柔軟に対応していくことが難しく、社員の勤務時間や稼働日数の調整が必要になるでしょう。
BPOの場合は、社員のスケジュール調整や新しい人材確保に必要な手間とコストを削減できます。必要コストは外部委託のみになるため、他の業務への予算確保が可能です。
3.コア業務へのリソースが増える
BPOでノンコア業務を外部委託できれば、ノンコア業務に費やしていた負担が軽減されます。人材や物、予算など社内リソースを確保できるため、企業が本来注力すべきコア業務に専念できます。ノンコア業務にかかっていたリソースをそのままコア業務に使えるのは、BPOの大きなメリットです。
また、業務工程やフローをチェックし、人材配置を最適化できれば、コア業務の成果や生産性が上がります。競合優位性を高め、ライバル企業との差別化を図れます。
4.高度なセキュリティ環境で委託できる
BPO業者の多くは、プライバシーマークやISMSを取得済みです。外部委託の際に気をつける点は、セキュリティ面ですが、プライバシーマークやISMSの取得済みの企業であれば、高いセキュリティで保護されているため、信頼してデータのやり取りができます。
プライバシーマークやISMSを取得している企業に匹敵するセキュリティレベルを自社で確保する場合、多額のコストと時間は必要不可欠です。高いセキュリティ体制のもと運用するコストも必要になるでしょう。BPOは自社運用よりも安全性が高く、情報漏洩のリスクを低減できます。
BPOが生み出すデメリットとは
BPOには、ノウハウの蓄積や内製化の点でデメリットがあります。以下で詳しく解説します。
1.ノウハウの蓄積が難しい
BPOは業務工程全体をまとめて委託するため、自社に業務のノウハウが蓄積されにくい点がデメリットです。BPOにより業務の効率化や品質向上は望めますが、業務で得られたノウハウは、BPO業者に蓄積されます。
対策を考えず放置すれば、社内にノウハウは蓄積されません。対策として有効なのは、自社とBPO業者との情報共有です。情報共有を通して、自社にも業務に関わるノウハウを蓄積できます。
2.内製化が難しくなる
BPOで懸念されるのは、一度外部委託を行った業務の内製化が難しい点です。BPO業者の倒産や関係の悪化などを理由にBPOが継続できなくなった際は、自社のインフラ整備や人材採用、人材育成など莫大なコストと手間がかかるでしょう。
BPO業者にもサービス提供が困難になる状況は起こりうるため、対策としてBPOが可能な他の業者を見つけておけば、安心できます。突然BPOのサービス提供が停止すれば、取引先や顧客にも悪影響が及ぶため、リスクを考慮して事前の準備をおすすめします。
3.従業員のモチベーション低下のリスクがある
BPOの導入が決まれば、人員配置や業務内容に大きな変化が起こるでしょう。業務内容の変化や部署の異動に関して不満を抱く社員も出てくるため、社員への適切な対応が必要です。
BPOにより発生した社内の変化により、社員のモチベーション低下が起こらないよう対策が求められます。社員へのフォローを丁寧に行いましょう。社員全員のモチベーションを保ち、向上させる取り組みは、企業の利益に影響します。BPO導入後のフォローやケアを実施し、対策を行うことが重要です。
BPO業者を選ぶ際のポイントとは
BPO業者の選定の際は、サービス費用以外の点も検討しましょう。導入コストが安価な点のみを理由に決めるのは、おすすめしません。業務内容にマッチした実績があるかも併せて確認してください。実績が豊富な企業であれば、独自のノウハウや専門的な知識を持っている可能性が高まります。
また、検討しているBPO業者が、自社のセキュリティ基準を満たしているかも確認しましょう。外部委託で重要な情報を取り扱う場合も出てくるため、情報の取り扱いに関して事前の確認が必要です。
まとめ
BPOを導入すれば、業務の品質向上や効率化につながります。自社で業務を行う場合と比較して、業務運用の手間だけでなく、コストも削減でき、業界の専門知識とノウハウを活かしたサービスを受けられます。BPOにより、業務工程全体の改善も可能です。
業務品質を向上させる方法は、BPO以外にもあります。オフィス環境の整備も、業務改善や効率化に大きく貢献する取り組みです。
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