データサイエンティストの仕事とは|必要性や育成方法・求められるスキルを解説
データサイエンティストは、企業内外のデータをビジネスに活用する人材です。急激に多くのデータをやり取りする場面が増えた現代では、該当する人材がいないために困っている会社も少なくありません。本記事ではデータサイエンティストの仕事内容や必要性はもちろん、育成方法や求められるスキルなどについても詳しく解説します。
データ活用の教育や運用体制の構築については、ぜひゴウリカマーケティングの「Go Analytics」を活用してください。
Contents
データサイエンティストの基本情報
まずはデータサイエンティストがどのような仕事をしているのか、誕生したきっかけとともに基本情報から解説します。
データサイエンティストの仕事
データサイエンティストは情報科学や統計学、数学などを駆使して膨大なデータを分析し、傾向を掴んで経営者や責任者が意思決定する際のサポートをする仕事です。そのため、データサイエンティストには、データ分析に関連する分野の専門性が必須であるのはいうまでもありません。加えてデータを活用するためのヒューマンスキルも必要です。
データサイエンティストが誕生した経緯
データサイエンティストの誕生には、1990年代からインターネットが急激に普及した背景があります。市場のデータ量が増えてデータマイニングが本格化し、2000年代に入ると第3次AIブームが巻き起こりました。
スマートフォンの普及などで膨大なデータがやり取りされるようになり、2010年代後半からはビッグデータ関連の技術が進化したことも理由の1つです。インターネットやAI、データ分析関連の技術進化に伴い、データサイエンティストが活躍する環境が作られました。
データサイエンティストとデータアナリストとの違い
データサイエンティストに似た職種に、データアナリストがあります。データを扱う仕事として重なる部分もあり、明確な分類は難しいですが、データアナリストはクライアント寄りです。一方で、データサイエンティストは、企業の課題解決までを目指すシステム寄りの分野を担当し、プログラミングやデータ分析基盤の構築など、より幅広いスキルを求められます。
データサイエンティストの確保は困難
AIや機械学習を使ったデータの分析は今後も重要になると考えられるため、データサイエンティストに対する需要は高まっています。注目度も高く、データサイエンティストを育成すべく、大学学部や大学院もつくられました。
しかし、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施したアンケートによると、データサイエンティスト採用の充実度では、確保できたと解答した企業は2021年で4%しかありません。どちらかといえば確保できた企業も33%にとどまり、データサイエンティストの確保は容易でないことが分かります。
※参考:データサイエンティストの採用に関するアンケート|一般社団法人データサイエンティスト協会
データサイエンティストの仕事の進め方
データサイエンティストの基本情報が分かったところで、データサイエンティストがどのように仕事を進めているのか解説します。
1.課題の要件定義
データ分析を行うにあたり、まずは解決すべき課題を洗い出す必要があります。具体的なデータ収集の前に課題を細分化し、優先順位を決めることが大事です。経営判断のためなのか、売上のアップやコストダウンをしたいのかなど、目標を明確にします。
2.目標に沿ったデータ収集・仮説立案
数多くのデータがあるなか、課題に関連したデータにもさまざまなものがあります。だからといってデータをむやみに集めても、必要な情報が得られるとは限りません。収集可能かつ、目標に沿った関連性の高いデータを見極める必要があります。
また、このデータをこの手法で分析すれば、こういう結果が得られるという仮説を立案し、データを前処理するのもデータサイエンティストの役割です。データを適切な形に整えられたら、分析ツールを使って分析を行います。
3.仮説の検証
分析結果が出たら仮説の検証を行います。分析結果が目標達成に役立ったかどうかの検証、分析精度を上げるためのチューニングも、データサイエンティストの担う役割です。データに潜むパターンや課題解決につながる傾向が特定できなかったなど、分析結果によっては仮説の立案からやり直さなければならないケースもあります。
4.レポートの作成・報告
ここまで一連の仕事が終わったら、分析結果のレポートを作成して経営陣に報告します。その際、設定した目標に対してどのように推移しているのか、KPI(重要業績評価指標)を用いるなど可視化してまとめるのが一般的です。分析結果を現場でどのように活かしていくのか、具体的な施策や計画を提案し、効果の検証も行います。
データ活用の教育や運用体制の構築については、ぜひゴウリカマーケティングの「Go Analytics」を活用してください。
データサイエンティストの育成方法
データサイエンティストを育成するためにはどうすればよいのか、以下の2点を踏まえておく必要があります。
向いている人を選抜する
データサイエンティストを育てるためには、まず適性のある人を見極める必要があります。データサイエンティストに向いている人の特徴は以下のとおりです。
・論理的思考が得意な人
・数学的な手法に慣れ、数字を使った作業が好きな人
・プログラミングに関心がある人
・問題解決能力のある人
・地道な作業が苦にならない人
・コミュニケーションスキルがある人
・締め切りを守れる人
地道にデータを扱い、分析から提案まで対応する仕事として、細かい作業や数字、プログラミングが好き、かつ論理的思考や問題解決能力、コミュニケーション能力を持ち合わせていることが必須です。
必要なスキルを習得させる
データサイエンティストになってもらうためには、業務で使うスキルを身につけてもらう必要があります。方法は独学での勉強のほか、専門スキルを学べるスクールに通う、外部から講師を招いて講義してもらうなどの選択肢があります。ただし、学習は継続する必要があるためコストがかかり、優れたデータサイエンティストの育成は容易ではありません。
データサイエンティストに必要な専門性
ここからはデータサイエンティストに必要な専門性について、具体的なスキルを4つ挙げて詳しく解説します。
分析に向けてデータを処理するスキル
データサイエンティストは単にデータを分析するだけではなく、品質をチェックし、不要なものは省く処理が必要です。収集したデータは、そのままでは分析ツールを使えません。データサイエンティストには、SQLやPythonなどのプログラミング言語を用い、分析前にデータを加工・処理する力が求められます。
プログラミングやデータベースのスキル
データ解析を行うためには、プログラミングのスキルも必要です。プログラミングに詳しければ、分析ツールを操作して効率的に大量のデータを分析でき、時間やコストの削減にもつながります。データベースを構築する際にも、プログラミングのスキルは求められるため、プログラミングとデータベースのスキルは必須です。
統計学・数学の知識
データ分析では調査で得られたデータから法則性や因果関係を導き出すために、相関関係や回帰分析などの数理モデル・統計モデルを活用します。そのためデータサイエンティストには数学や統計学の知識も必要とされ、適切に応用できるスキルが求められます。特に不要なデータを省くときや傾向を見るときには、統計学の知識が必要です。
機械学習の知識
機械学習はAIの領域の1つであり、AIを活用して大量のデータを分析する技術です。機械学習のスキルを持っていれば最適なモデルやアルゴリズムを使い、データの特徴やパターンを予測できます。機械学習への理解があることでデータ解析を高度化し、正確性の高い分析や効果的な改善策の提案が可能です。仕事の質だけではなく、効率が向上するメリットもあります。
データサイエンティストに必要なヒューマンスキル
データサイエンティストとして仕事をするためには、専門性の高い技術スキルに加えてヒューマンスキルも必要です。
データをビジネスに活かす考え方
データサイエンティストの仕事はデータを分析するだけにとどまらず、企業が抱える課題を定義し、施策を考案するところまでが対象です。そこまで対応するためには業界や企業そのものを熟知し、分析結果をビジネスに活かそうとする姿勢を持つ必要があります。
論理的思考・クリティカルシンキング
データ分析や課題解決のための施策を考案する際、なによりも主観を挟まないことが大事です。客観的な視点を持つことが求められるため、データサイエンティストには論理的思考が欠かせません。
また、クリティカルシンキング(批判的思考)も必要なスキルです。クリティカルシンキングは「物事を批判的に捉えて判断する思考」と直訳できますが、要は物事の本質を見きわめて論理的に思考することを意味します。問題をさまざまな角度から検討し、本質を捉えたうえで解決に必要なポイントを見出すスキルが必要です。
コミュニケーションスキル
専門性の高いデータ分析は、結果を他者に説明することが難しい職種です。結果を人に伝える際に分かりやすい説明ができるよう、プレゼンテーションスキルが求められます。データサイエンティストは黙々とデータの収集や分析をするだけではなく、関係者にヒアリングしたり、協力を求めたりする場面もでてくるため、コミュニケーションスキルが必要です。
データサイエンティストを活かせる企業の特徴
データサイエンティストを活かせる企業には以下のような特徴があります。
・分析に必要な大量のデータを扱いながら、難しい課題を抱えている
・データに価値を置いている
・データサイエンティストと協働できる体制が整っている
・関係者が情報を共有できる体制が整っている
・データ分析の結果をもとにPPDACサイクルを回し、変革もいとわない準備ができている
データ活用なら「Go Analytics」がおすすめ
データ分析のためにツールを導入する企業も多いですが、「Go Analytics」は伴走型コンサルティングサービスです。データサイエンティストが社内でデータ活用をするための教育から、データ分析の運用体制や組織体制の構築まで、あらゆるデータ活用の場面で支援を行います。
たとえば、小売業における豊富な知見をもとに、大手小売業を営む企業へのDX導入支援やPOSデータ分析支援が可能です。ほかにもマーケティングの戦略立案やデータ収集方法の検討・運用など、さまざまな課題の解決に向けてサポートします。
まとめ
急激なインターネットの普及やAIブームなどを経て、現代は多くのデータが扱われるようになりました。データを適切に分析して傾向をつかむことで、企業のさらなる業績アップにもつなげられます。しかし、データを分析して意思決定者のサポートをするデータサイエンティストを確保するのは困難です。
「Go Analytics」は伴走型のデータサイエンティストサービスとして、データ活用の支援を行っています。データ活用を考えているのなら、データサイエンティストの教育から体制の構築までサポートを受けられる「Go Analytics」を検討してみてください。